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「僕は学習するのにあまり時間を必要としないタイプ」

NBAデビュー戦はリーグ屈指のハードマーカーにしてトラッシュトーカーのパトリック・ベバリーに抑え込まれたレイカーズのロンゾ・ボール。しかし、その翌日のサンズ戦では抜群のパフォーマンスを披露。29得点11リバウンド9アシストという圧巻のスタッツで、チームにシーズン初勝利をもたらした。

スクリーンを使ってリングにアタックし始めれば、もう誰にも止められない。スピードに乗ったドライブから多彩なフィニッシュで次々と得点。サンズが必死に止めようとすれば、フリーの味方をみつけてパスを出していく。うまく行かなかったのは自身お気に入りのタッチダウン・パスぐらい。あとは自由自在に持ち味を発揮してオフェンスを引っ張った。

わずか3得点に終わった前日との違いを「アグレッシブにプレーしたからだね」とロンゾは説明する。「昨日の試合では6本しかシュートを打たなかった。上手くいかなかったから、何か変える必要があった。勝つために何をすればいいかと考え、それで昨日よりシュートを多く打つことにした」

試合は最後の最後までもつれたが、何とか勝ち切った。「ディフェンスは望んだような形で機能しなかったけど、勝てたから不満はないよ」とロンゾは言う。「僕は学習するのにあまり時間を必要としないタイプなんだ。これから批判されることもあるだろうけど、試合を重ねていけば、より快適にやれるようになるよ」

史上最年少のトリプル・ダブルに1アシスト届かず

トリプル・ダブルに限りなく迫った試合でもあった。カイル・クーズマの得点をお膳立てし、9アシスト目を記録したのは第4クォーター残り2分30秒。その後、残り1分の時点でアウトサイドで待つブランドン・イングラムにパスを供給したが、フリーで放った3ポイントシュートはリングに嫌われた。結局、あと1アシストだけ足りず。もし達成していたら、レブロン・ジェームズが持つ20歳と20日という記録を塗り替える、NBA史上最年少の19歳と358日でのトリプル・ダブルだった。

レイカーズの記録では、デビューから2試合目までに記録した得点としては1963年以降最多で、マジック・ジョンソンがデビュー戦で記録した26得点を上回った。またロンゾ自身で見ると、大学時代のキャリアハイである26得点をNBA2試合目で上回ったことになる。

前日にロンゾを封じたクリッパーズのベバリーは「彼はレイカーズにとって素晴らしい選手になるだろうけど、その前にはタフな経験を乗り越えないといけない」と苦戦を予想したが、ロンゾはたった1試合で乗り越えてみせた。余談ながらロンゾはこの日の29得点で、NBA6年目のベバリーのキャリアハイである26得点を上回った。