文=丸山素行 写真=野口岳彦

拮抗した展開に耐え、一瞬の爆発力で勝利

Bリーグ第2節、アルバルク東京が今シーズンよりホームアリーナとなる駒沢体育館に新潟アルビレックスBBを迎えた。先週の開幕節で連勝スタートを切ったチーム同士の戦いは、A東京が第3クォーター終盤にトランジションから13得点を集中させ、ホーム開幕戦を白星で飾った。

前半は拮抗した展開が続く。昨シーズンの得点ランキング2位のダバンテ・ガードナーが『重戦車』の異名通り、インサイドで力を発揮。前半だけで14得点を挙げて新潟を引っ張った。一方のA東京はガードナーがベンチに退いている時間帯に田中大貴を中心としたオフェンスで反撃。田中はピック&ロールからズレを作り、味方のイージーシュートを何本も演出。第2クォーターだけで5個のアシストを記録し、33-31とA東京がわずかにリードして前半を終えた。

差が付いたのは第3クォーターだ。ガードナーにボールを集める新潟に対し、A東京はダブルチームなどでプレッシャーを高める。タフショットを強い、そのリバウンドから素早く攻めに転じて馬場雄大のダンクや田中の速攻などで一気に突き放した。このクォーターで11得点を荒稼ぎした田中に牽引され、A東京の10点リードで最終クォーターを迎える。

流れを変えたい新潟はゾーンを用いてディフェンスを機能させるも、ロングリバウンドを取られて詰め寄るには至らない。A東京はガードナーの猛攻に耐えながら、チームプレーで加点していく。残り2分59秒、田中が遠めから放った3ポイントシュートを沈めて試合を決めた。この日35得点のガードナーが最後まで攻め続けるも、最終スコア78-72でA東京が勝利を収めている。

ガードナーに35得点を奪われるも「想定の範囲内」

A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは「40分間集中力を切らさず戦えば、必ず勝てると思っていた」と拮抗した展開が続っく中で我慢できたことを勝因に挙げた。またガードナーについては「トラップに行ってしまうとシューター陣を空けてしまう。我々の戦術的にはガードナーに点数を取られても、他のシューター陣を抑える意図があったのでダブルチームにあまり行かなかった」と、35得点を奪われながらも想定の範囲内であったことを明かした。

20得点6アシスト2スティールとチームの勝利に大きく貢献した田中は「リングにアタックする機会が増えてるのは良いこと。でも最低限これくらいはやれるようにしないといけないと思います」とクールに言い放った。

田中の20得点だけでなく、A東京はアレックス・カークとジャワッド・ウィリアムズ、安藤誓哉に馬場が2桁得点。誰がコートに立っていても得点が止まらない強さが目立った。

敗れた新潟の庄司和広ヘッドコーチは「一番止めたかったリバウンドとトランジションに尽きると思います。その他はプラン通りうまくいったんですけど、ゾーンを出すタイミングを失敗してしまった」と第3クォーターに喫したビッグランの場面を嘆いた。それでも「誤算は少なかったゲーム」と総括しており、明日の第2戦に向けてある程度の手応えは得ていた様子だ。

明日も同じ駒沢体育館で19時10分より第2戦が行われる。