ディアンジェロ・ラッセル

「当時の僕は精神的に未熟だった」

ウォリアーズのディアンジェロ・ラッセルは、レイカーズ時代にチームメートだったコービー・ブライアントからのアドバイスに耳を傾けなかったことを後悔している。

今年の夏、ラッセルはケビン・デュラントが絡んだサイン&トレードでウォリアーズと4年契約を結んだ。しかし、クレイ・トンプソンやステフィン・カリーなど主力をケガで欠くウォリアーズは現在5勝21敗で西カンファレンス最下位、プレーオフ進出が絶望視されている。ラッセル自身も親指のケガに見舞われたが、ここまで14試合に出場し1試合平均22.7得点、6.2アシストと奮闘している。

『The Athletic』のインタビューに応じたラッセルは「今思えば、コービーからは貴重なアドバイスをたくさんもらったけど、当時の僕は精神的に未熟だったから耳を貸そうともしなかった」と語っている。特に印象に残っているのは遠征先での過ごし方。コービーは遠征先で街に出て楽しい時間を過ごすよりも、ビジネス目的の会合に参加し、ブランディングの方法や引退後のビジョンについて考えていたという。

ラッセルが教わったのは、プロ選手としての人気を利用して人生の目的を見つけるべき、ということだ。多くの選手はそれに気づくことなく現役を終え、そこで初めて厳しい現実を目の当たりにして戸惑う。選手キャリアがピークにある時こそ、引退後の計画を立てないと、有形無形の資産を活用することはできないのだ。

ラッセルは今になって、ようやくコービーのアドバイスを理解できるようになったという。しかし、コービーとプレーしていた時にはまだ19歳だったのだから、理解できなかったのも仕方ないのかもしれない。23歳で気づくことができたなら、まだまだやれることはある。

ラッセルは今年でプロ5年目だが、様々な経験を積んできた。すでに2回のトレードを経験、レイカーズではヘッドコーチとの確執で干されたり、チームメートの秘密を暴露して孤立したこともあった。しかし、そうした若気の至りを乗り越えたからこそ、チーム状況はどん底であってもラッセルは目の前の試合に集中し続けられているのではないか。成熟したラッセルは、これまでとはまた違ったプレーを見せてくれるはずだ。