「自分の未熟さから冷静さが足りなかった」
12月11日、サンロッカーズ渋谷は、敵地でアルバルク東京と対戦。開始直後からリードを奪って試合を優位に進めながら、第4クォーター終了間際にひっくり返され、72-74と痛恨の逆転負けをした。
この試合、SR渋谷のベンドラメ礼生は3ポイントシュート5本成功を含む26得点、8アシスト、4リバウンド、3スティールと攻守に渡って奮闘した。しかし、いくら個人のスタッツを残していても、「勝たなければ意味がない。戦えても負けたでは何も意味はない。僕たちは勝たなければいけないチームです」と本人に充足感は全くない。
A東京の激しいマークにあいながら得点を重ねたが、「点数をとることが僕の仕事です」と言い、何より逆転された直後のオフェンスにおいて、ドライブからパスカットされた自分のターンオーバーを悔いる。
「最後のミスがすべて。あそこで、しっかりパスをさばけるようにならないとチームを勝たせることができない。ドライブしてのターンオーバーで、しょうもないミスでした。一度、外に広がって前半みたいに1対1ができればよかったですが、自分の未熟さから冷静さが足りなかったです」
そして、試合全体を振り返っての反省点をこう続ける。「38分間は僕らの流れで試合を作れていました。ただ、15点のリードを20点に広げられなかったのが痛かった。ディフェンスで相手の気持ちをへし折る激しさが足りなかったです。イージーなミスも多く、そういうものが積み重なり相手を勢いに乗せてしまった」
「ウチは、全員でボールを回して点を取るチームバスケット」
文字通り勝敗を分けた2点差を追う最後のオフェンス、ベンドラメはゴール下にアタックし、相手ディフェンスのマークを引きつけてノーマークになった杉浦佑成にパス。結果、杉浦の放った3ポイントシュートは外れた。
あの場面、この試合で5本の3ポイントシュートを決めたようにシュートタッチのよかったベンドラメが、外に開いての1対1からアウトサイドシュートなど個人技で強引に打ちに行っても、それは妥当な選択と言える状況だった。しかし、「ウチは、全員でボールを回して点を取るチームバスケットです」と、彼にそういった考えはなかった。
「ラストはいいプレーでした。ドライブして相手が寄ってきたのでキックアウトして、フリーでシュートを打った。結果は入らなかったですが、これからはああいった状況でボールが回ってくるメンタルをみんなが作ることができる。反省点をあげるとすれば、シュートが外れて残り1秒あったのにリバウンドに入れなかったこと。チャンピオンになるためには、やらないといけないです」
SR渋谷にとっては同地区ライバルから勝てる絶好のチャンスを、フリースロー20本中わずか10本成功、17ターンオーバーが示すように自滅で逃すもったいない試合となった。ただ、敗れたとはいえ、ここまでの好成績が偶然ではなく必然であることを見ている人に示した。
そして、個人で打開できる得点力を持ちつつも、常にチームファーストで味方を信じ、より確率の高いオフェンスを意識するベンドラメの姿勢が強く印象に残る一戦となった。
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