『盟友』レブロン・ジェームズとNBA優勝に向け邁進
決断を下すということは、何かをあきらめるということ。ドウェイン・ウェイドはキャバリアーズへの移籍を決断したことで、2つのことをあきらめた。一つは愛する家族との時間。『AP』の取材に対しウェイドは、「今回のように大きな決断を下す時、自分は妻のガブリエル・ウニオン・ウェイド、そして長男のザイール・ウェイドの意見を聞くようにしている」と語った。
「ザイールと妻がどう考えているかを聞く。今回の件ではザイールにこう言われた。『パパ、僕はもっとパパに近くにいてもらいたい。でも、4つ目のリングを取りにいってほしい』とね」
ウェイドの自宅はマイアミにある。子供たちは現在サウスフロリダの学校に通っているが、キャブズと契約したウェイドはクリーブランドで生活しなければならない。アメリカのプロアスリートにとって、家族の存在は重要だ。シーズン中は練習場と試合会場の往復、遠征を繰り返すNBA選手にとって、束の間のオフには家族との時間が安らぎと新たなモチベーションを与えてくれる。ただ、何としても4回目の優勝を達成したいウェイドは、『盟友』レブロン・ジェームズと再び手を取り合うことを決めた。それを後押してくれたのが、他の誰でもない長男だった。
そしてもう一つあきらめたのは、古巣ヒートへの復帰だ。今回はタイミングを逸したが、ウェイドは将来的にヒートの選手として引退する希望を明かしている。「マイアミにあるドアには、鍵がかかっていない」とウェイドは表現する。
「それがいつになるかは分からないが、引退する時は、ヒートのジャージーを着たい。ヒートでプレーするのか、それともポール・ピアースのように1日限定の契約になるかは分からないけど、この世界に入った場所から、最後は去りたいんだ」
ウェイドはブルズとの契約最終年をバイアウトした後、一度はヒートへの復帰を検討した。しかし、昨シーズン後半戦から猛チャージを見せ30勝11敗を記録したチームの主力が残留し、自分と同じシューティングガードの選手が揃っているため、復帰しないことがヒートにとってのベターだと判断した。
すべては4回目の優勝のため。決して簡単ではない目標達成に向け、ウェイドは大きな決断を下した。