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混迷を極めた『メロ・ドラマ』がついに決着

9月22日、ニックスがメディアデーを実施。選手は姿を見せなかったが、ヘッドコーチのジェフ・ホーナセック、GMのスコット・ペリーが出席。集まったメディアが最も知りたがったのは、カーメロ・アンソニーの去就についてだった。

アンソニーの契約にはトレード拒否条項が含まれている。この条項を彼が破棄するのは、自らが希望するチーム先にトレードされる場合のみ。アンソニーが移籍を希望しているロケッツとの交渉が行き詰まった以上、ニックスはアンソニーを戦力に含めるかどうか決断しなくてはならない。

その答えを求めたメディアに対してホーナセックは、アンソニーがチームに残る場合は先発として起用すると明言。その上でこうコメントした。「彼を起点とするプレーを実行するつもりだ。私が彼を先発に起用しないと思っているのなら、それは馬鹿げている。彼は今も素晴らしい選手だ。多くのものをチームにもたらしてくれる。我々は、彼がチームに残ると考えている」

だが、ヘッドコーチがこう語る一方で、トレード交渉は大きく前進していた。アンソニーにニックス残留の意思はなく、移籍先候補にキャバリアーズとサンダーを加えたのだ。この話に乗ったのはサンダーだ。エネス・キャンターとダグ・マクダーモット、さらには2018年の2巡目指名権という条件で、交渉は合意。かくしてアンソニーのサンダー移籍が決まった。

サンダーはすでにポール・ジョージを獲得しており、アンソニーとはポジションが重なる。だが、どちらも幅広いスキルを持っていること、そしてトレーニングキャンプ開始前にトレードがまとまったことで、最適な着地点を見いだせるはずだ。

数カ月前には誰にも想像できなかったラッセル・ウェストブルックとジョージ、アンソニーの『ビッグ3』が実現した。サンダーは高額のラグジュアリータックスを支払うことを覚悟の上でアンソニーを獲得。ウェストブルックもジョージも契約最終年であり、文字通り今シーズンが『勝負の年』となる。

予算規模の小さなチームではあるが、ケビン・デュラントを失ってからも競争力を落とさず、むしろ今シーズンは『机上の計算』ではそれ以上の戦力を整えたサンダー。ここまで来れば打倒ウォリアーズを果たすことが至上命題となる。