「自分が何点取ろうが負ければ意味がない」
11月10日、三遠ネオフェニックスは川崎ブレイブサンダースに連敗し、これで開幕から14連敗となった。しかし、79-81のスコアが示すように開幕から最も勝利に迫ったゲームでもあった。
この試合、三遠で目立っていたのは西川貴之だ。第1クォーターの7得点でチームに流れをもたらすと、試合全体では2ポイントシュートを10本中7本成功と、得意のジャンプシュートを高確率で沈めて20得点をマーク。さらに3スティールと守備でも奮闘した。
当然のことながら「負けは負け。満足は全然していないです。自分が何点取ろうが負ければ意味がない。早くみんなで戦って勝った瞬間を味わいたいです」と西川に充足感はない。
一方で、強豪の川崎にあと一歩と迫ったことへの収穫もあった。「今までは第3クォーターまでに点差を開けられて、第4クォーター途中にギブアップという形が続いていました。それが今日はなんとか粘って最後の1ポゼッションまで勝てるんじゃないかというところまでいけました。今日はこれまででディフェンスが一番良かった。ディフェンスで頑張ることができれば、今日のような展開に持っていけます」
「プレータイムが増えて楽しい、という感じではない」
西川は大学卒業後、地元のレバンガ北海道に入団。着実に成長を続け、Bリーグ初年度には1試合平均2桁得点を挙げる日本人エースとなった。しかし、翌シーズンにさらなるステップアップを求めて移籍したシーホース三河では、出場機会を大きく減らして不遇の2シーズンを過ごしている。
今オフ、心機一転で三遠に加入するとここまで1試合平均30分出場で2桁得点を記録し、主力として奮闘している。また、ブライアン・ロウサムを解任し、河内修斗ヘッドコーチの新体制となってからの4試合のうち2試合で20得点をマークしている。
このように、新天地で存在感を高めている西川だが、「試合に出るからには、チームに貢献しなければいけないし、結果を出さないといけない。それしか考えていないので、プレータイムが増えて楽しい、という感じではないです」と今は連敗を止めたい一心で、自身のパフォーマンスについての思いは特にない。
「僕がしっかりフィットできれば、この流れを変えられる」
当然、様々な課題を抱えている三遠ではあるが、川崎との2試合を見る限り明るい兆しも出ている。西川は、チームの変化を「コーチが代わり戦術も変わりました。昨シーズンの三遠のスタイルに近いとみんなは言っています」と評する。
だからこそ、「昨シーズンから残っている選手にはやりやすさもあると思います。そこで、新しく入った僕がしっかりフィットできれば、この流れを変えられる。その部分では良くなっていけます」と、自分がいかに他のメンバーの動きに合わせていけるかが重要になると意気込む。
今週末の相手は王者アルバルク東京と、三遠にとって引き続き厳しい戦いが続く。相手が外国籍選手の得点を抑えにくる中で、西川が日本人の得点源としてどれだけオフェンスを活性化させられるかが、連敗ストップへの大きな鍵となる。
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— バスケット・カウント (@basket_count) November 2, 2019
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