トニー・パーカー

ポポビッチ、ダンカン、ジノビリらに感謝のスピーチ

11月11日、AT&Tセンターで行なわれたグリズリーズ戦後、スパーズの黄金期を支え、昨シーズン終了後に現役引退を表明したトニー・パーカーの永久欠番式典が執り行なわれた。

式典には、デビッド・ロビンソン、ブルース・ボウエン、ティム・ダンカン、マヌ・ジノビリら球団レジェンド、パーカーとともに黄金期を支えたかつてのチームメートも来場。NBA史上に残る欧州出身ポイントガードとなったパーカーの功績を称えた。

パーカーの才能を見出した恩師グレッグ・ポポビッチは、マイクを握ると「トニー、君に謝りたいことがある。これまでずっと、心身ともに君をいじめてしまった。ずっと謝りたかったんだ」とジョークで笑いを取ると、パーカーも「その謝罪を受け入れますよ」と答えるなど、阿吽の呼吸で会場を沸かした。

ともに優勝を成し遂げ、スパーズに一時代をもたらしたダンカンとジノビリとの友情も、バスケットボール選手としてのパーカーのキャリアからは外せない。彼は2人の方を向くと、このように思いを伝えた。

「君たちと一緒にやれて光栄だった。そして、君たちが思っている以上に、僕に大きなインパクトを与えてくれた。一緒にコートで成し遂げたことについて語ることもできるしね。でも、僕の中では、今も前と変わらずに話したり、一緒にテニスをやったり、ランチをともにできる関係でいられることが大切なんだ。君たちとの友情と絆こそ、自分が一番大事にしていること。これからもずっと一緒に時間を過ごそう」

スパーズでのキャリア後半に一緒にプレーしたパティ・ミルズ、ジョージ・ヒル、マルコ・ベリネリ、マット・ボナーらとの友情についても触れ、家族や友人にも感謝の気持ちを伝えた。

後継者として期待されるデジャンテ・マレーには「スパーズは君がいれば大丈夫。これからも頑張れ」とエールを送ったパーカーは 、試合終了後もスタンドに残ったスパーズファンにあるリクエストをした。

「最後に一つだけ、みんなと一緒にやりたいことがあるんだ。お願いできるかな?想像してもらいたい。僕が19歳で、対戦相手はレイカーズ。コービー&シャックだ。最後にもう一度だけ、『Go Spurs Go!』という歓声をもらいたい。お願いできるかな?じゃぁ、僕のカウントでいこう」

このリクエストにファンも応え、パーカーの「ワン、ツー、スリー」という掛け声に合わせて『Go Spurs Go!』の大歓声が会場内に響き渡った。そして、ジノビリの20番の隣に掲げられた9番のジャージーがお披露目され、感動的な式典は幕を閉じた。