西地区の『1強』となり得る琉球ゴールデンキングスと互角に渡り合った西宮ストークス、終盤に力尽きるも収穫の多い試合に

2017/09/02
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

スローペース、個人ではなく組織の戦いに持ち込む

アーリーカップ『関西』大会、前日に熊本ヴォルターズを倒した西宮ストークスが、琉球ゴールデンキングスと対戦した。

この夏に日本代表のアイラ・ブラウンを筆頭とする大型補強を実施、西地区では『1強』と目される琉球と、B2からの昇格組で基本的には前シーズンのチームを継続させている西宮。西宮は不利が予想されたが、立ち上がりから積極的に仕掛けて主導権を握った。

第1クォーターは琉球がオン・ザ・コート「1」なのに対し、西宮は「2」のメリットを生かす。bjリーグ時代の琉球で3シーズンを過ごしたドゥレイロン・バーンズがスピードを生かして琉球の守備をかき乱し、コナー・ラマートが落ち着いて得点を決めていく。試合開始から5分強で11-4として、琉球に最初のタイムアウトを取らせた。

それでも琉球の混乱は長くは続かない。二ノ宮康平、須田侑太郎の3ポイントシュート攻勢で追い上げられた上、超アグレッシブにプレスディフェンスを遂行していたバーンズが第1クォーター残り2分のところで早くも3つ目の個人ファウルを犯してベンチに下がる。それでも西宮は崩れず、オン・ザ・コート数で不利になる第2クォーター以降も琉球と互角の戦いを演じた。

西宮は徹底して試合のペースを遅らせ、琉球に走るチャンスを与えないことで個々の能力ではなく組織の戦いに持ち込んだ。こうなると指揮官交代と選手の半数を入れ替えた琉球に対し、同じスタイルを遂行する西宮に利がある。第2クォーターは11-14、第3クォーターは11-10と泥試合に持ち込んだ。

最終クォーターの2分が過ぎたところ。リードを7点に広げた琉球は一気に試合を決めるべくオールコートプレスを仕掛けるが、バーンズがこれを独力で突破、数的優位を作って谷直樹の完全フリーでのコーナー3ポイントシュートへとつなぎ、49-53と西宮が粘りを見せる。

嫌な試合展開に持ち込まれるも勝ち切った琉球

だが、琉球はその後の約3分間で10-0のランを見せ、西宮を突き放す。琉球にとって嫌な流れを断ち切ったのはゴール下に立ちはだかる『大魔神』ヒルトン・アームストロングだった。日本人選手のドライブからのレイアップはすべて叩き落す勢いで、この3分間で3本のブロックショットを記録。これで西宮の攻めをシャットアウトした。

2桁のビハインドを背負ってもなお勝利に執念を燃やす西宮は、残り3分で頼みのバーンズがついにファウルアウト。その後もギャンブル的なスティールから速攻を仕掛けて追い上げるが、余裕を持つと琉球の経験から来る試合運びが生きてくる。最終盤をしのいだ琉球が74-65で混戦を制した。

ヘッドコーチとしての公式戦デビューを白星で飾った琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「気持ちの部分では西宮さんが序盤は上回った」と相手を称えつつ、「後半は挽回できたので、明日につなげます。相手に流れを持っていかせないように、まずはディフェンスからやりたい」と明日の決勝戦に向け気を引き締めた。

琉球はエースのアイラ・ブラウンをうまく抑えられ苦戦を強いられたが、二ノ宮康平が14得点8アシストと活躍。また岸本隆一も重い展開を多彩な攻めで打開しつつ自らも14得点を挙げた。

敗れた西宮も、琉球相手にここまで戦えたのは大きな収穫。昇格組で補強も少ないチームだが、この2日間で新シーズンに向けて大きな手応えを得られたはずだ。市民球団で予算規模も小さいが、B1でも十分に戦えるチームに仕上げていると見ていいだろう。