千葉に連敗し「力の差はまだまだある」と痛感
島根スサノオマジックは先週末の千葉ジェッツ戦に連敗した。初戦は第1クォーターにリードを奪うと終盤まで接戦を演じたが、第2戦は前半で34点差をつけられ100点ゲームの完敗を喫した。今シーズンは黒星が先行しているとはいえ、千葉は昨シーズンのB1準優勝チーム。そびえたつ壁は高かった。
島根は前節に京都ハンナリーズからシーズン2勝目を挙げ、B1でやれる感覚をつかみかけていたところ。しかし、真の強豪とはまだ力の差があったと北川弘は言う。「京都戦では自分たちがやりたいことをしっかりやれて、接戦をモノにできたのは大きかったです。9試合を終えて、手応えを得てるものもありましたが、地力というか、力の差はまだまだあると思いました」
「テンポアップだったり、みんなに声をかけて士気を高める。チーム全員で戦うんだという流れを作るのが僕の役目だと思っています」と、自身の役割を説明する北川は、初戦で9得点4アシスト、第2戦で8得点6アシストと気を吐いた。
個人のパフォーマンスは決して悪くなかったが、「100点満点のゲームは存在しない」と、貪欲に今できることのベストを追及している。「全然まだまだですし、ここからどう伸びていくかだと思っています。どう成長できたか、どう変われたかを自問自答していきたいです」
「僕が活躍することが大野さんの価値にもなります」
プロ6年目の北川は広島ドラゴンフライズで4シーズンを過ごし、昨シーズンに加入した島根でB1昇格をつかみ取った。対戦した千葉の大野篤史ヘッドコーチは、広島時代のアシスタントコーチに当たる。
ともに日体大出身ということもあり、北川は大野コーチとの関係を「なんというか、弟子ですかね?」と説明する。「広島時代に2年間でいっぱい怒られましたけど、今のプレーの源は大野さんと佐古(賢一)さんの教えがあるからだと思っていて、僕が活躍することが大野さんの価値にもなります。かわいがってもらってるというか、多分、相思相愛だと思ってます(笑)」
相思相愛という言葉には驚かされたが、実際、大野コーチも「悪い時に声が出せるプレーヤーですし、チームの雰囲気を上げられるところが好きだった」と話し、北川の良さを理解している。
また、第1戦の終了後には「3ポイントを気持ち良く打たれて、コーストトゥコーストのようなトランジションからのレイアップをやられました。スピードがある選手なので、良いところが出てました。でも、次は止めたい」と、笑顔で話していた。
「全力で戦った結果、最後にどうだったかを楽しみに」
千葉に連敗し、島根は17位へとダウンした。『14位以内』という目標を達成するためにはチーム全体のステップアップが必要となるが、北川は先を見据えずに目の前の試合に全力を尽くすことだけしか考えていない。
「もちろん、残留は目指してます。でも僕の感覚では先はまだ見ていないですね。1試合1試合を大事に、ハードに戦った結果、終わってみれば13位だったねとか、上位行けたじゃんとか、そういうのが理想です。ここは捨てていいとか、ここを取りに行くって感覚は全くないので、全力で戦った結果、最後にどうだったかを楽しみにしています」
かつての恩師の前で素晴らしいプレーを見せた北川。彼がさらなる成長を遂げれば、『14位以内』という目標の達成はより現実味が増す。
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