写真=野口岳彦

長谷川監督「リオを目指さないということはあり得ない」

6月7日、バスケットボール男子日本代表メンバー16名が発表された。

セルビアで行われる五輪世界最終予選(OQT)に向けた合宿は明日からスタート。OQTでは日本、ラトビア、チェコが同グループ。このグループリーグの上位2チームが、別グループ(セルビア、アンゴラ、プエルトリコ)の上位2チームとトーナメントを行い、優勝チームだけがリオ五輪への出場権を手にするという厳しい戦いだ。

 0 田臥勇太
 3 辻直人
 6 比江島慎
 7 篠山竜青
 8 太田敦也
10 竹内公輔
11 橋本竜馬
12 渡邊雄太
14 金丸晃輔
15 竹内譲次
16 松井啓十郎
24 田中大貴
25 古川孝敏
27 ファイ パプ月瑠
34 小野龍猛
42 広瀬健太

ここまで、3月と4月に29名を選考してシーズン中の短期合宿を行ってきたが、この16名でOQTに向けた本格的な準備がスタートすることになる。明日から都内で練習を行い、来週は中国(蘇州)へ渡り、実戦経験を積みながらメンバーの絞り込みのための選考を行う。帰国後に最終メンバー12名を発表。6月下旬にはフランス遠征で本番を想定したテストマッチを行い、7月4日のラトビア戦、7月6日のチェコ戦に挑む。

長谷川健志ヘッドコーチは、これから待ち受ける戦いの厳しさをこう説明する。「世界最終予選というのは、2008年の北京五輪と2012年のロンドン五輪の過去2回行われています。アジアからはかつて4チームが挑戦しています。韓国が2回、レバノンが1回、ヨルダンが1回。方式は違いますが、8試合やってすべて負けています。特にレバノン、ヨルダンにいたっては相当な大差で敗れました。これが現実、我々が置かれている厳しい状況です」

「しかし、我々にとってはようやく勝ち取った世界の第一歩です。この大会はリオの最終予選で、リオを目指さないということはあり得ない。ただ、アジアが0勝8敗なのも事実です。この事実を変えないと世界の第一歩はスタートしません。現実的に、2試合のうち一つは勝とうと。これが第一歩につながるはずです」

「正直に言うと、今回参加する18カ国の中で日本のランキングは最下位です。練習期間が非常に短いこともあり、不安は否めません。それでも、置かれた場所で戦うのもスポーツ選手の宿命なので、日本人の組織力、忍耐力をしっかり発揮して戦えるチームにしたいと思っております」

「サイズの大きいヨーロッパの2チームと戦う上で、我々が高さとフィジカルの弱さをどうやって克服していくかというのが一つの大きなテーマです。やはり我々にはスピードとシュート力、これが欠かせない。ディフェンスに対してはリスクを背負ってでもチャレンジすること。そして相手の弱点を突きたい。失点を10減らして、得点を10増やす。これは可能だと思います。難しい戦術と言うよりは、シンプルなことを40分間しっかりできるか、です」

「多くの選手をこの2年間は見ていますので、チームワークや組織作りにはスムーズにいくと思います。川淵会長からも『奇跡を起こせ』と言われています。男子はBリーグのスタートの年でもあります。その中で男子代表が結果を出すということは、これからのバスケットに非常に大きな一歩につながると思います。我々はその最初のスタートを切る12名として、その使命を感じてこのOQTに臨みたいと思っております」