「これまでよりも上のバージョンの彼を見ている」
バックスのアーサン・イリヤソバは、今年の夏に開催されたFIBAワールドカップにトルコ代表として出場し、平均16得点9.3リバウンド2アシストの活躍を見せた。国際大会でのパフォーマンスは、イリヤソバにポジティブな影響を与え、これまでとの違いを、バックスのチームメート、コーチも感じている。
NBAでも大ベテランのイリヤソバは、セカンドユニットでの起用が主な役割で、昨シーズンのプレーオフでも老獪なプレーで相手に傾きかけた嫌な流れを変えるなど、縁の下の力持ちとしてチームのカンファレンス・ファイナル進出に貢献した。それが今年のプレシーズンゲームでは、3試合に出場して平均15.3得点4リバウンド1.7アシストを記録するなど、プレシーズンとはいえ、今までのイリヤソバとは一味違う質のパフォーマンスを披露した。
この夏にはアメリカ代表としてワールドカップに出場したクリス・ミドルトンは、「彼には、代表でのようなプレーをチームでもしてもらいたいと伝えた」と、『journal sentinel』に語った。
「彼は才能ある選手で、優れたシューターでもある。頭の良い選手。アーの素晴らしい部分をこれからも見たい」
トルコは1次ラウンドでアメリカと対戦し、オーバータイムの末に敗れたが、優勝候補を相手に大善戦した。その試合で、イリヤソバは23得点14リバウンドをマークした。
Ersan Ilyasova scored 23 PTS with 14 REB while @cediosman scored 15 PTS for @TBF in their First Round matchup with USA! #TürkiyeGotGame #FIBAWC pic.twitter.com/ZW5Z4etNKs
— NBA (@NBA) September 3, 2019
指揮官のマイク・ブーデンホルザーも、イリヤソバの変化に気づいている一人だ。「もちろん彼は素晴らしい選手なのだが、これまでよりも上のバージョンの彼を見ているようだ」
イリヤソバ本人は、国際大会出場による影響が大きいと話す。
「代表で高いレベルでプレーしたことで自信になった。バスケットボールをプレーしただけではなくて、ハイレベルな大会に出場できたのだからね。夏に練習して、ピックアップゲームをやるのとはわけが違う。高いレベルで競い合えば、成長に繋がる」
ミドルトンら主力との再契約に成功したバックスは、今シーズンも東カンファレンスの上位候補として注目されている。エースのヤニス・アデトクンボも、イリヤソバにプレシーズンでのような調子を維持してもらいたいと考えている。
「アーサンは、ワールドカップで素晴らしい仕事をして、自信を得たのだと思う。FIBAでのフィーリングが良くて、それが今も続いているようだね。コンディションを維持して、相手との接触に身体が耐えられるのなら、今シーズンの彼はすごく活躍できると思う」
今シーズンは、これまで黒子に徹してきたイリヤソバが遅咲きのブレークを果たす1年になるかもしれない。