橋本の3ポイントシュート、直後の速攻で幕
宇都宮ブレックスvsシーホース三河の第2戦。第1戦と同様にハイスコアリングゲームとなったが、終盤に橋本晃佑の3ポイントシュートと直後の速攻で突き放した宇都宮が勝負強さで上回り、90-84の激戦をモノにした。
ライアン・ロシターが2本の3ポイントシュートを含む8連続得点を挙げて宇都宮が先行するが、三河も岡田侑大が5本中4本のフィールドゴールを成功させるなど一歩も引かず、序盤からハイスコアリングゲームの様相を呈した。
ジェフ・ギブスと竹内公輔を欠く宇都宮だったが、『ストレッチ4』の橋本がダバンテ・ガードナーを外に釣り出し、アウトサイドシュートを高確率で沈めたことでインサイドの不安を感じさせない。またリバウンドへの意識も高く、第1戦に続いてガード陣もリバウンドに飛び込むことでポゼッションを渡さず、セカンドチャンスポイントに繋げていった。
ディフェンスではロシターを中央に置くゾーンディフェンスでインサイドの高さ不足を補った。それでもパス能力に長けるガードナーと桜木ジェイアールを起点にパスを散らされ、第3クォーターまでに10本中6本成功と高確率で3ポイントシュートを許し、個のプレーにも手を焼いて内外から失点が続いた。また、ロシターがいない『オン0』の時間帯で、オフェンスリバウンドからの失点が増えるなど、インサイドの不利を完全に補うことはできなかった。
ともに主導権を握った場面があり、それぞれ最大で3ポゼッション以上のリードを有する時間帯があった。それでも互いに粘りを見せて拮抗したまま試合は進み、宇都宮の3点リードで最終クォーターを迎えた。
「思い切り3ポイントシュートを決められて焦ってしまった」
ガードナーの個を止められない宇都宮は逆転を許し、73-74でオフィシャルタイムアウトを迎えたが、比江島慎の1on1を強調することでリードを保つ。
三河はオフェンスが好調だった岡田侑大を外し、ディフェンスの強い加藤寿一を比江島にぶつけたが、スクリーンを巧みに使う比江島のドライブを止められない。比江島の後にはガードナーにボールを集め、そのガードナーが7連続得点を挙げるなど、最後まで一進一退の攻防が続いた。
しかし残り1分13秒、試合の趨勢を決めるビッグプレーが宇都宮に飛び出す。遠藤祐亮のドライブをケアしたガードナーのシュートチェックが遅れ、外に開いた橋本が遠めから3ポイントシュートを沈めて84-81と一歩抜け出す。さらに、その直後のディフェンスで比江島のパスカットからの速攻を遠藤が決めて一気に5点差とした。
鈴木貴美一ヘッドコーチが「どっちに転ぶか分からないところで橋本君に思い切り3ポイントシュートを決められて焦ってしまった」と語ったように、この一連のプレーが決定打となり、宇都宮が熱戦をモノにした。
「乗り越える力がチームに備わっている」
勝利した宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「昨日に引き続き自分たちの流れがくるまで耐えて、最後に流れを作れた」と、我慢の勝利と語った。
また、「災害で大変な方たちがいる中で、ホーム開幕戦で人数の少ない中で何かを伝えられるようなゲームをしなければいけなかった。この2試合は、少しはそういうところができたのかなと思う」と、チーム一丸でつかんだ劇的な勝利に満足気な表情を浮かべた。
一方、三河の鈴木コーチは「昨日と今日の差は、何年も一緒にやっているチームと、初めて来たメンバーが多い差だと思います」とチームの成熟度の差を敗因に挙げた。だからこそ、「負けはしましたけど若手にとっては良い経験になった」と話し、必要以上にネガティブな表情は見せなかった。
宇都宮は開幕戦で連敗するも、その後5連勝と調子を上げている。「ケガ人ばかりで厳しい状況でしたが、そこを乗り越える力がチームに備わっていることを指揮を執りながら実感しました」と、インサイドの主力2選手がいない中での2連勝に大きな手応えを得たようだ。
10月20日のB1 9試合の結果
富山67-82大阪
横浜76-63島根
新潟55-77北海道
三遠73-85SR渋谷
滋賀78-83名古屋D
琉球78-71秋田
宇都宮90-84三河
A東京81-53京都
千葉89-96川崎
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