タイムアウトで指揮官の檄、川崎が後半に抜け出す
川崎ブレイブサンダースが千葉ジェッツを相手に敵地で83-73で勝利した。
前半は両チームのエースがオフェンスを引っ張る。川崎はニック・ファジーカスが12得点8リバウンド、千葉はギャビン・エドワーズが11得点8リバウンドと甲乙つけがたい出来で、チームも38-37で川崎が1点リードという接戦になった。
第3クォーターに入り、ファジーカスのセカンドチャンスからの得点で川崎が49-46としたところで、すぐに富樫勇樹がボールプッシュから一気にシュートまで持ち込み、篠山竜青がファウルをしても止められずにバスケット・カウントを献上。この3点プレーで再び1点差に詰められる。
ここで川崎の佐藤賢次ヘッドコーチはタイムアウトを要求。試合後に、このシーンをこう振り返る。「一番やられてはいけないトランジションをやられたということと、プレーとプレーの切り替えのところで、全然準備ができていなかった。ボールもオフェンスも見ていないような状況で、その間に富樫選手にやられたので、何をやっているんだと怒りました。そうしたら、そこから目を覚ましてくれました」
ここから「目を覚ました」の表現通りにディフェンスの強度が一段上がり、タフショットを強いてリバウンドから走る展開へと持ち込む。ここで人一倍ハッスルが目立ったジョーダン・ヒースは「自分たちのエナジーを上げること。そしてディフェンスの強度を上げていく2点をしっかりやっていくことを意識した」と振り返る。藤井祐眞が富樫にプレッシャーを掛けてターンオーバーを誘いレイアップシュートに持ち込み、第3クォーター残り3分で56-49とリードを広げた。
大野ヘッドコーチ「やりたいことを向こうにやられた」
ここで川崎は田口成浩やマイケル・パーカーのハッスルで押し返されるが、63-59で最終クォーターを迎えると再びプレーの強度を上げて自分たちの流れを作り出す。千葉にミスが続く中でも自分たちのプレーを遂行。高さの利を生かしてリバウンドで上回り、攻めに転じれば篠山とファジーカスの鮮やかな連携も決まって、残り4分で75-64と点差を広げた。
点差を広げられた千葉は、残り時間5分の時点でチームファウルが5つに。川崎はアグレッシブに攻めていくことで千葉からファウルを誘い、フリースローも決めてリードを保ち、83-73で川崎が勝利した。
新体制の川崎にとっては、自分たちのバスケットに自信が持てる大きな1勝。一方で主要メンバーが変わらない千葉は2勝4敗と負け越している。
大野篤史ヘッドコーチは敗因をこう語る。「シュートを落としたら次にやることはディフェンスしかないのに、ハッスルバックをやらなかった。逆に向こうはリバウンドを取って、さらにビッグマンも走っていて、自分たちのやりたいことを向こうにやられた印象です」
第3クォーターまでは互角の争いとなったが、タイムアウト一つで立て直した川崎が、新たなチームの持ち味になるべきディフェンスを確実に遂行することで勝利した。
10月19日のB1 9試合の結果
宇都宮92-86三河
A東京93-100京都
横浜64-74島根
千葉73-83川崎
富山76-81大阪
三遠72-87SR渋谷
新潟78-68北海道
滋賀83-67名古屋D
琉球69-87秋田
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