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ジョージが大幅な減額を受け入れない限り実現は困難

ペイサーズが今オフにポール・ジョージとクレイ・トンプソンとのトレードを実現しようとさせ、失敗に終わったのは既報の通り。フリーエージェントになる来年チームを離れるとジョージから伝えられたペイサーズは、最終的にサンダーとのトレードに応じ、エースを放出した。

サンダーでは、『ミスター・トリプル・ダブル』ことラッセル・ウェストブルックとのデュオが期待されるが、来シーズンの成績にかかわらず、ジョージが1年でサンダーを退団するという意見は後を絶たない。

ジョージがサンダーと再契約せずフリーエージェントになるとしたら行き先の大本命は、彼の地元であるロサンゼルスを本拠地に置くレイカーズだ。GMのロブ・ペリンカは、来シーズン終了後に大物フリーエージェント選手を最低でも1人獲得するプランを明かし、1年後のオフに向けてキャップスペースを確保しようとしている。ターゲットにジョージが含まれているのは明らかなのだが、その獲得レースに王者ウォリアーズが参戦する可能性が出てきた。

『The Athletic』によれば、ウォリアーズのオーナー、ジョー・レイコブが、ジョージを獲得する方法を検討中とのこと。言うのは簡単だが、ジョージを獲得するだけの資金捻出がもっとも難しいチームこそ、ウォリアーズに他ならない。

今オフにステフィン・カリーと2億100万ドル(約221億円)の『スーパーマックス契約』を結び、ケビン・デュラントが1000万ドル(約11億円)ほどの大幅な減額を受け入れたことで、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンら優勝メンバーを残すことに成功した。もしデュラントが減額を受け入れていなかったら、イグダーラかリビングストンは移籍していただろう。そんなチームが、どうやってマックス契約級の大物フリーエージェントを獲得するだけの資金を捻出するというのだろう?

つまり、来年の夏にジョージを獲得するのであれば、主力の放出は避けられない。主力をキープしたままジョージを獲得しようと思ったら、ウォリアーズは最大のアピールポイント、『スーパーチーム』の魅力でジョージを口説き落とす必要が出てくる。つまり条件面で大幅な譲歩を引き出さなければならない。

NBAで王朝時代を築くには、コアメンバーの残留と毎年の積極的な補強が欠かせない。レイカーズ有利と言われていたポール・ジョージ獲得レースに、もし本当にウォリアーズが参戦したら、名門チーム同士のバトルが水面下で繰り広げられることになる。当然、サンダーにも引く気はなく、また別のアプローチで契約延長を目指すだろう。

来シーズンを通して過熱するであろうジョージ獲得レースの行方に注目したい。