文=丸山素行

初年度を振り返り、2シーズン目の成長を目指す

Bリーグは7月21日に「Bリーグ新人選手研修」を行い、様々な講義を通して「プロフェッショナルとは何か」を選手一人ひとりに浸透させた。また「研修の内容を日常的、継続的に選手の行動に繋げられるように選手と伴走する役割」として選手メンター制度を導入するなど、選手だけでなくフロント陣も含めた強化活動を行っている。

昨日はB1、B2全クラブの広報担当を集め担当者会議が行われた。会に先立ち大河正明チェアマンが登場。「1シーズン目はうまくいったことが多いと思いますけど、2シーズン目に少しでも上向きに行くということが一番大事なので」と前置きして、昨年のデータを元に数字が持つ意味を紐解いていった。

1試合平均約4500人、年間集客数1位の千葉ジェッツを例に出した際には、一人の選手が持つ価値が大事と力説した。「年間13万5000人のお客様というのは、プロ契約選手を約13人抱えているので、一人の選手が約1万人を呼び込めることになります。選手の年俸や価値はどれだけのお客さんに来てもらえるかが一つの尺度となる」

「J1のクラブが30人強の選手で30万人ちょっとなので、約1万人。千葉はJリーグ1部のチームの平均値くらい、一人の選手がお客様を呼んでこれる、要はお金を取ってこれる立ち位置に今あるのです」

また「B1は3試合に1試合、B2は10試合に1試合が満員試合。この割合をもっと増やしながらチケットの単価を上げたり、チケットの枯渇感を出していくことが重要」と語り、選手とチーム、そしてチケットの価値を上げることが好循環を生むと訴えた。

選手の価値に関しては、「選手の魅力をSNSでしっかり伝えていけるようになれば、もっとお客様を呼び込める」と、あの選手を見たいと思えるような個性のある選手の台頭を期待した。

リーグ主導の担当者会議は約4時間にわたって行われた。

クラブを強くするためには選手の頑張りだけでなく、それを支えるスタッフの尽力も必要であり、このような取り組みは重要な役割を持つ。そして、チームとクラブ双方が強くなることが、リーグの活性化につながり、日本バスケ界を成長させていく。