エンビードとの練習、指揮官ブラウンの情熱が決め手
昨シーズンまでクリッパーズに4年間在籍したJJ・レディックは、将来性の高い若手を多数擁するセブンティシクサーズへの移籍を決めた。
ウォリアーズやキャバリアーズなど、優勝という目的を果たすべく強豪チームに移籍するベテランが多い中、なぜレディックはプレーオフにすら進出できるか分からないシクサーズを選んだのか? その答えは、深夜の練習にあった。
レディックは『Business Insider』とのインタビューで、フリーエージェント選手との交渉が解禁された7月1日の午前1時近くに、シクサーズのジョエル・エンビード、それから指揮官のブレット・ブラウンと練習したことを明かした。
「7月1日の午前1時に、あることがあったんだ」とレディックは語り始める。
「練習場のコートで話していたら、突然ブレット・ブラウンがジョエル・エンビードにポストに立つよう指示した。僕はその時、青いブレザーのような服装だったんだけれど、僕たちはポストアクションを始めて、ピック&ロールの動きもやり始めた。あの時のコーチ・ブラウンとの練習がとにかく楽しかったんだ。彼のバスケットボールに対する情熱を感じて、いろいろと話した。僕にとっては、高額年俸での1年契約より、コーチの存在の方が大きかった。コーチこそ、僕がフィラデルフィアに来ようと思った最大の要因なんだ」
レディックは、ジャズとの西カンファレンス・プレーオフ1回戦敗退後に撮影された『The Uninterrupted』のドキュメント番組内で、「バカなことを言うようだけれど、楽しいという気持ちを失ってしまったんだ。チーム、それにチームのプレースタイルには楽しさを感じない。それが辛かった」と語っていた。
シクサーズとの契約は単年ながらも、年俸は2300万ドル(約25億円)という好条件。それでもレディックは、来シーズン以降もシクサーズでのプレーを希望すると発言している。その理由は、やはり自分がバスケットボール選手として正しい刺激を持ってプレーできる環境がある場所だと判断したからだ。
すっかりバスケットボールへの情熱が冷めてしまったレディックに手を差し伸べ、情熱を取り戻してくれたブラウンに報いるため、シャープシューターのレディックはシクサーズの一員になることを選んだ、というわけだ。