文=丸山素行 写真=FIBA.com

発案者は髙田「今までチームを引っ張って来てくれた」

オーストラリアとの決勝戦、選手たちは肩に「12」のナンバーを書き入れてプレーしていた。これはもちろん、吉田亜沙美の番号。ケガでコートに立てず、ベンチから声を出すしかない吉田の思いを全員が背負うという意思の表れだった。発案者の髙田真希は言う。「今までチームを引っ張って来てくれたのは吉田選手ですし、ピンチをチャンスに変えるためには、吉田選手のためにっていう思いで。ベタですが肩に12と書いてチーム一丸となって戦って行こうと発案しました」

その姿を見た感想を聞かれた吉田は、言葉を詰まらせ、涙とともに溢れ出る思いを語った。「みんなの気持ちや思いがすごく伝わって、一緒に戦ってくれてるっていうのが痛いほど伝わりました。オーストラリア戦も中国戦もみんなの頑張りに感動しましたし、このチームのキャプテンで本当に幸せだったなって思いました」

大黒柱不在が若手の成長速度を高め、チーム一丸を体現した。名実ともにアジア頂点となった日本のこれからに期待し続けたい。