3人のポイントガードで最も長いプレータイムを得るも……
7月29日、日本代表はフリオ・ラマス新ヘッドコーチの下では初の実戦としてウルグアイ代表として対戦。第1クォーターに2桁のリードを許した立ち上がりの遅れが響き、69-79で敗れた。しかし、第2クォーター以降は55-54と上回るなど、明日の雪辱に期待を抱かせる内容でもあった。
今回の代表には、富樫勇樹、篠山竜青、橋本竜馬と3人の司令塔が選出された。先発に起用されたのは富樫だったが、勝負の第4クォーターでのフル出場など、3人の中で最もプレータイムが多かったのは篠山だった。
「篠山のディフェンスが良かった。追い上げるためには彼のディフェンスが必要と思った」とラマスは、篠山の第4クォーターでの起用について語る。実際、篠山はチームトップの3スティールを挙げるなど、激しいディフェンスを披露していた。
ラマス新体制での記念すべき初戦において、ここ一番でコートに立っていたことは、ポジション争いにおいて幸先良いスタートとなったのではないか。この問いに対し、篠山は正反対の考えだ。「これで勝っていれば自信になりますが、テストで出されていた中で試合に負けています。司令塔としてコントロールの部分でも勝負どころでミスはありました。明日もう一回、このようなプレータイムがあるかは分からないですし、むしろ危機感のほうが大きいです」
篠山が説明するルカとラマスのバスケットの違い
「気さくなおじさんという感じで積極的にコミュニケーションをとってくれますし、しゃべりやすいです」とラマスの印象について語る篠山は、前任のルカ・パヴィチェヴィッチとの違いを次のように説明する。
「ディフェンスに関して言えば、ルカはどちらかというと少ない人数で守っていきたい、ピック&ロールに関しても2対2で守っていきたいという考え方でしたが、ラマスの場合は全部のプレーに対して5人全員で守っていく。オフェンスについては、ルカはピック&ロールを重視して誰でもどこでもピック&ロールができるように、という考えでしたが、ラマスはどちらかというとパスで崩していくのが好ましい、一人ひとりがボールを持つ時間をどれだけ少なくできるかというバスケットになりました」
また、篠山は昨シーズンのBリーグでは特にシーズン終盤からチャンピオンシップにかけて、得点面でのステップアップが目立った。しかし代表では、外からのシュートを自ら積極的に打つよりも、ゴール下にアタックしてのチャンスメークにより重きを置いているようだ。
「ペイントエリアに入っていくことを意識しています。チームには一流のシューターがいますので、僕が運んでポンポンとシュートを打つのはチームのリズムではありません。僕がピック&ロールを使ってすぐに3ポイントを打つのはちょっとリスクが大きいと思います。ペイントに行ける時は行く、それが無理だったら次のピックに移行しようという選択が頭の中にありました」
「今回は選ばれましたが、日々、テストされている気持ちです。毎日、緊張感を持っていかないといけない」と、篠山はあとわずかとなったアジアカップ、その後の代表活動について語る。そして川崎ブレイブサンダースの時と同じく、ベンチでも積極的に声を出して味方を鼓舞する姿が目に付いたが、「もっと意識して、ベンチでもコートでもやれると思いますし、やっていきたいです」と意気込みを語っている。
世間に是非を問う「これからは『篠山ひも問題』です」
余談だが、オフシーズンに入ると篠山はこれまで生やしていたヒゲを剃って『篠山ヒゲ問題』としてTwitterでファンの反応を探った。本人としては、爽やかなヒゲなしを気に入っていたのだが、反応は圧倒的に『ヒゲがあったほうがいい』ということで、これまで通りヒゲを生やしている。今回は新たな変化として、サッカー選手がよく着けているヘアバンドを着用。「これからは『篠山ひも問題』です」と、コート外でも新たな話題を提供してくれている。
「Twitterのフォロワーも増えていますので、楽しんでいます」とコート外での積極的な情報発信でファンと触れ合うことについて語る篠山。日本代表のポイントガードの定位置争いのみならず、今回の『ひも問題』がどんな結末を迎えるのかも何気に注目していきたい。
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