クリッパーズ指揮官が語るカワイ・レナード、ポール・ジョージ獲得の舞台裏

2019/09/20
NBA&海外
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カワイ・レナード

リバース「本当の仕事は、これから始まる」

このオフにカワイ・レナードとポール・ジョージという2人のスーパースターを獲得したクリッパーズ。まもなくスタートするトレーニングキャンプを前に、西カンファレンスの優勝候補に挙げられているチームを指揮するドック・リバースが、レナードとポールを同時期に獲得した舞台裏を明かした。

リバースによれば、レナードとの面談は、マリブにある指揮官の自宅で行なわれたという。彼は『LA Times』に、面談の様子について、次のように述べた。

「カワイとは、私のマリブの自宅で会ったんだけど、その時に彼に近づけたと思ったよ。レイカーズは、カワイとチームの練習施設で会うつもりだったと聞いてね。それでカワイの方から、『自分が泊まっているホテルで会う』とレイカーズに連絡を入れたそうだ。ところが我々と話す際には、『自宅に伺いたい』と言ってきたんだ。それを聞いた瞬間、彼がウチへの移籍を希望していると感じたよ」

リバースの自宅に現れたレナードは、同席したオーナーのスティーブ・バルマーに向かい「あなたのチームでプレーしたい」と言ったという。だが、レナードは自分と同様に責任を持ってチームを引っ張れる選手の獲得を希望した。それがかなわなければ、移籍する意思がないこともハッキリ伝えたと、リバースは明かす。

「彼はスティーブに、『僕は、あなたが球団のためにしていることが素晴らしいと思っています。ただ、あなたのチームの力は十分ではない。もしチームを変えられないのなら、僕は契約しません』と言ったんだ」

そこでクリッパーズは、用意していたレナードと相性が良いと考えた選手のリストを本人に見せた。そしてジョージの名前を見つけて、「彼と一緒にやりたい」と、クリッパーズに伝えた。しかし、クリッパーズにとっては、そこからが一番の難関だった。

昨シーズンのプレーオフ・ファーストラウンドでトレイルブレイザーズに敗れたサンダーが、ラッセル・ウェストブルック、ジョージが中心のチーム解体を検討していたのは周知の事実だった。最終的にクリッパーズはシャイ・ギルジャス・アレキサンダー、ダニーロ・ガリナーリ、自前の1巡目指名権を3つ(2022、2024、2026)、ヒート経由で獲得する1巡目指名権を2つ(2021、2023)、2023年と2025年の指名権交換という条件をサンダーに提示し、ジョージを獲得した。

オーナーは当初ドラフト指名権を大量にサンダーに渡すことに難色を示したそうだが、リバースが説得。「これはポールを獲得するためだけではなくて、ポールとカワイを獲得するため。私なら決める。そういうふうに考えた方がいい」と、進言した。

これだけの条件を提示しても、サンダーはすぐに首を縦には振らず、破断になったと思われた。リバースは、クリッパーズがサンダーと話し合いをしていた日の夜に会食があって馴染みのレストランに出かけていた。その合間に球団社長のローレンス・フランクから連絡があり、サンダーが再びトレードを検討しているという報せを受けた。

リバースは、店で対応してくれたレイカーズファンの店員から「カワイはウチに来ますよ」と言われるたびに、「どうだろうね。分からんよ」と、答えたという。結果的に、クリッパーズは、今年のオフに去就が注目されたレナード、それからジョージというトップクラスの2ウェイプレーヤーを2人も加えることに成功した。リバースも補強に大満足しているとはいえ、まだ何も始まっていないことを理解している。

「我々は、今年の夏の競争には勝った。だが、我々はシーズンを勝とうとしているんだ。夏の争いに勝てたのは素晴らしい。シーズンで優勝できるだけのチームになれるからね。しかし、まだ何も勝ち取っていない。本当の仕事は、これから始まるんだ」