シーホース三河

バスケット・カウント連発、個人技で試合を決める

メンバーを大幅に入れ替えたシーホース三河の初戦、出だしでつまずくも強烈な個人技で巻き返し、FE名古屋を撃破した。

ディフェンスのズレをローテーションで修正できず、FE名古屋にインサイドを崩され、そのカバーに回ったところで外から狙われて開始10分で22失点。山本エドワードと伊藤大和を中心とした自由自在のパスワークで第1クォーターだけで8アシストを記録したFE名古屋のオフェンスも光ったが、それ以上に三河ディフェンスの粗が目立った。守備の悪さはオフェンスにも影響して、良い形を作れない。

ここで流れを呼び込んだのは昨シーズンのBリーグ得点王、ダバンテ・ガードナーだった。第1クォーターの終盤から、機能しないチームオフェンスのお膳立てを待たず、自分で強引なアタックを開始。FE名古屋の外国籍選手がファウルトラブルになったこともあり、日本人ビッグマンの高村成寿では対抗できない。ガードナーは前半だけで4つのバスケット・カウントをもぎ取った。

高村はガードナーを抑えられない分、外に開いて得点を重ねるが、ガードナーの得点ペースがはるかに上。逆転に成功したことで三河の選手には落ち着きが生まれ、序盤は機能しなかった攻守が噛み合うようになる。熊谷航がピック&ロールから落ち着いて相手を引き付けてパス、金丸晃輔がオープンのチャンスで3ポイントシュートを確実に決める。アーリーオフェンスから金丸、岡田侑大と繋いで新外国籍選手クリス・オトゥーレのダンクを演出。ガードナーは第3クォーターにタッチダウンパスを受けてイージーレイアップを決めて15点差、第4クォーターにはベンジャミン・ローソンが正面に付いているにもかかわらず3ポイントシュートをねじ込んで25点差とFE名古屋を突き放した。

シーホース三河

FE名古屋は敗れても収穫、来週の開幕に向け自信

FE名古屋はガードナー一人に圧倒されながらも攻守に質の高さを見せ、3ポイントシュートが当たったこともあって点差を1桁まで詰めるも、残り2分にガードナーが得意のユーロステップからのジャンプシュートを食らい、5つ目のバスケット・カウントを献上して勝負あり。ガードナーは34分半の出場で46得点14リバウンド、被ファウル15でフリースロー19本中17本成功と、ウイングアリーナ刈谷でのお披露目を最高の形で締めくくった。

三河の鈴木貴美一ヘッドコーチ「ちょっと出だしはどうなるかと思った。コニュニケーションミスで3ポイントシュートを簡単に打たせてしまったので、そこは話をして、約束通りのプレーできればもう少し相手の得点は抑えられた」と立ち上がりの悪さを反省するも、チームの持ち味であるオフェンスで劣勢を跳ね返したことを評価する。「点数が取れるようになったので、あとはディフェンスを。一人一人のディフェンスが弱いとしても、チームで頑張ることによって変わってくると思うので、しっかりやりたい」と、さらなる向上を誓った。

立ち上がりのペースを維持できずに敗れたFE名古屋だが、前日に戦力で勝る茨城ロボッツに競り勝ったことに加え、B1でも随一の戦力を誇る三河を相手に善戦した。外国籍選手が1人しかベンチ入りできない状況でガードナーに圧倒されたが、チームバスケットではむしろ三河を上回っていたと言える。来週の開幕に向けて大きな自信を得られたはずだ。

今日、そのFE名古屋はアースフレンズ東京Zと3位決定戦を、三河は名古屋ダイヤモンドドルフィンズと決勝を戦う。