リッキー・ルビオ

「タレント力がチームを上回ることを世界に示した」

昨夜に行われたバスケワールドカップ決勝、スペインはアルゼンチンを撃破して優勝した。

リッキー・ルビオはワールドカップを通じて全8試合に出場、平均26分のプレータイムで16.4得点、そして6アシストを記録した。得点力が持ち味の選手ではないが、アルゼンチンとの決勝では大会自己最多の20得点と勝負強さを発揮。ただ彼の真価は、試合の状況に応じたゲームメークにより、チームではなくゲームそのものをコントロールする力だ。決勝でも立ち上がりにリードを奪った後、エネルギッシュなアルゼンチンの猛反撃をいなし、押さえつけ、チャンスと見るや一挙攻勢に転じて突き放して、セーフティーリードを保ち続ける完勝を演出して見せた。

結果的に、大会すべてをコントロールした彼がMVPを受賞するのは当然のこと。ルビオは「この大会のすべての瞬間を楽しみ、しっかりと覚えてきたかった。僕の人生にずっと付いて回るものになると思っていたからね」と語る。

「言葉にならないけど、僕たちは超ハードに練習してきて、そういう意味でこのチームは特別なんだ。多くを学び、ともに戦って、タレント力がチームを上回ることを世界に示したと思う」

リッキー・ルビオ

亡き母への感謝「ずっと僕の背中を押してくれる」

スペインは2008年の北京オリンピックで決勝に進出したが、アメリカに敗れている。この時、ルビオは17歳で大会に参加していた。「思えばあそこがスタートで、またここに戻って来たんだ」と彼は言う。

「僕は17歳でオリンピックの決勝を戦った。ここ中国で偉大なことを成し遂げようとしたけど、そうはならなかった。そして今、ようやくここに立っている。ちょっと遅くなったけど、11年が経って僕は大人になった。チームをファイナルまで連れてきて、最高の勝利を収めることができた。これまでのすべてから学んだおかげだと思う。僕は今も学んでいるし、成長できることに感謝している。そして、そのことを楽しんでいるんだ」

大会の主役を演じてのワールドカップ優勝を果たし、ルビオが感謝するのは母だ。「僕は3年前に母を亡くしている。母はずっと僕の後ろにいて、ベストを出し尽くせ、って毎日背中を押してくれる。母よりも僕のことを愛してくれる人は世界中を探したっていない。いなくなっても、感じられる。僕は彼女が母親であることを誇りに思っているし、だからこそ進み続けるんだ」

11年後の優勝を「ちょっと遅くなった」と表現したが、かつての天才少年は11年経った今もまだ28歳。ここから迎えるキャリアの円熟期、学び続けるルビオのさらなる飛躍に注目だ。