取材・写真=古後登志夫

かつて中村学園を強豪校に育て上げ、2005年と2006年のウインターカップを連覇した吉村明。当時でさえ「ベテラン監督」と呼ばれたが、熊本国府へと舞台を移した今も熱心な指導を続けている。今年で就任4年目。2015年のウインターカップに出場するも2回戦敗退、それ以来となる全国の舞台に、名将は「やれるところまでやってみよう」の気持ちで臨む。

「熊本のバスケット界に新しい風を吹き込みたい」

──吉村監督が熊本国府に来て4年目、チームが強くなっている手応えは感じますか?

私が来た時にはバスケットができる環境ではなくて、ゼロではなくマイナスからのスタートでした。それでも3年目、4年目でようやくチームらしくなってきました。『心・体・技の調和』ということで技術の指導をしてきましたが、原点に戻って日頃の生活や食事からスタートして身体を作りをして、そこに新しく技術をプラスしています。

何年か前から取り入れているのが古武術です。古武術の動きをバスケットに取り入れて、より安全でケガをしない、より強くより速く、より正確に。それは身体の扱い方なんですが、意識を持ってやれば可能なんですね。それをうまくバスケットの中に取り入れてやっています。

──今回インターハイに挑むチームの特色を教えてください。

インサイドの強さだと思います。ただ高さはありますが、身体の使い方はまだまだ。そこを生かすことができたのが熊本県で勝てた要因だと思います

──チームの武器を一つ挙げるとしたらどこでしょう?

インサイドアウトサイドのコンビネーションですね。これからアウトサイドはもっと正確さが増せばもっと展開ができると考えています。

──『名将』のイメージがある吉村監督ですが、今回は挑戦者として臨むことになります。

やれるところまでやってみよう、ということですね。まだバスケットを知らない子供たちなので、実業団の胸を借りたり、大学生の力を借りたり。それで少しは分かってきたのかと思います。その成果をインターハイで出すことができれば。

──熊本は全国でなかなか勝てない状況があります。

そうですね。低迷してる状況だからこそ新しい風を吹き込んで、熊本のバスケット界を発展させられればと思います。