「非常に高いバスケットIQを備えているわけではない」

今夏にバックスからヒートへ移籍したヤニス・アデトクンボについて、昨シーズンまでバックスを率いたドック・リバース元ヘッドコーチがその去就劇の裏側と、エースを指導する難しさについて語った。

ポッドキャスト番組『The Bill Simmons Podcast』に出演したリバースは、アデトクンボが公にトレード要求を出さないまま優柔不断な態度を続けていたと明かしている。

「ヤニスはチームを出たがっていたが、バックスの選手でもあった。そして彼は『悪者』にはなりたくなかったんだ。自分でトレードを要求するのではなく、フロント(GMやオーナー)側から『トレードする』と言わせたかった。それが彼の狙いだった」

アデトクンボはメディアに対して「バックスに全力を尽くしており、トレード要求などしない」と語り続けていたが、裏では2025年5月以降、チーム側に移籍の意思を伝え続けていたとされる。最終的にバックスは、タイラー・ヒーローや複数のドラフト1巡目指名権と引き換えに彼をヒートへ放出した。

また、リバースはアデトクンボのプレースタイル特有の課題についても言及。「彼は素晴らしいパスセンスを持っているが、一方で非常に高いバスケットIQを備えているわけではない。一方向のプレーしか持っておらず、すべてのプレーで強引に押し込もうとする」と指摘した。

「彼のように個人の力で解決できてしまう選手は、戦術を遂行する必要性を感じてこなかった。だが、それではチームの助けにならない。彼が今後学ぶべきは『戦術遂行の価値』だ。今の彼のコーチ(エリック・スポールストラ)は戦術遂行において最高峰の指導者だからね」

アデトクンボはここまで27.3得点、12.7リバウンド、5.6アシストを記録し、柱としてチームを牽引している。しかし、優勝候補にも名を連ねたチームは3勝6敗と思うように勝てていない。ヒートで新たなスタートを切ったアデトクンボが、この指摘を胸にどのような変化を見せ、真の勝者へと成長していくか注目される。