トレイルブレイザーズで示す新境地

トレイルブレイザーズのジャ・モラントが、現地10月30日にグリズリーズのホームコートで行われる古巣との対戦を前に、現地メディア『The Athletic』の取材で率直な心境を明かした。

モラントにとって、メンフィスは長年エースとしてチームを牽引してきた特別な場所だった。爆発的なオフェンス力と勝負強さでグリズリーズを西カンファレンスの強豪へと押し上げ、その存在感はフランチャイズプレーヤーとしての地位を確かなものにしていた。自身の身体にグリズリーズのロゴをタトゥーとして刻んでいたことからも、チームとの深い繋がりがうかがえる。しかし、長く続くと思われていたその関係は、フロントがトレードによる放出を決断したことで終わりを迎えた。

愛着のあるチームを離れることになったモラントだが、古巣に対してわだかまりを抱いているわけではない。「メンフィスに対して悪い感情は一切ないよ。本当にないんだ」と言い、グリズリーズでの時間の尊さをこのように語った。

「メンフィスでの時間は本当に素晴らしかった。ポートランドに移籍して数カ月経ったからといって、その思い出を簡単に消し去ることはできない。あそこで過ごした時間を上回るには、今シーズンここで優勝を果たすことくらいしかないね」

退団の背景には、2024-25シーズンに暫定ヘッドコーチとなり、昨シーズンから正式にチームを率いたトゥオマス・イーサロヘッドコーチとの関係性や、オフコートでの問題がある。しかし、イーサロヘッドコーチは現地メディアに対し、その噂を否定し関係性を弁明している。

「人々は伝聞や二次・三次情報の話を大げさに誇張してしまうものだ。我々は常に素晴らしい協力関係を築いていたし、多くの戦術的ビジョンを共有していた。物事が常に思い通りに進むわけではないが、今はお互いのチームが順調に進んでいることをただ喜んでいる」

モラントは過去の自身の決断やトラブルについても一部責任を認めつつ、新たな環境で前を向いている。それは開幕から3連勝と、好調のチームをけん引する見事なパフォーマンスが物語っている。ここまでモラントは、平均26.7分のプレータイムで16.3得点、6.3アシストを記録。特筆すべきはその高いシュート効率で、フィールドゴール成功率58.8%、3ポイントシュート成功率44.4%、フリースロー成功率83.3%という高水準のスタッツを残している。

これまでのグリズリーズでのキャリアよりもプレータイムは短くなっているが、「僕にとって重要なのは勝つことであり、そのためならどんな役割も受け入れる。スタメンだろうとベンチからだろうと、やるべきことは変わらない。僕は自分の役割が何であれ全く問題ないよ」と、起用法も気にしないことをシーズン前のインタビューで語っていたように、チームの勝利を第一優先に考えてプレーを続けている結果が現れている。

グリズリーズが4連勝、ブレイザーズも3連勝と両クラブとも最高のスタートを切り、それぞれの決断が正しかったことを証明している。メンフィスに興奮と混乱をもたらしたモラントの凱旋は、グリズリーズファンにとって特別な時間となるだろう。