八村塁

「リバウンドで負けた部分がこの結果に繋がった」

9月3日、日本代表は予選グループのチェコ戦に76-89で敗れた。前半を40-45で折り返し、第3クォーターに入っても食らい付くなど、前回のトルコ戦に比べて競ることができた要因は、フィールドゴール12本中8本成功の21得点、さらには6リバウンド4アシストを記録した八村塁の奮闘があったからだ。

八村は、エースとしての責任を十二分に果たすパフォーマンスを披露したが、それでも勝利には届かず。「今日は出だしが上手く行き、前半は良かったですけど、第3クォーターに相手もリズムに乗ってきて、それを止められずにズルズル行ってしまった」

「ディフェンス、中でもリバウンド。ワールドカップで勝つにはもっと良いディフェンスをやらないといけない。87失点は多すぎる。そして、リバウンドで負けた部分がこの結果に繋がった。特にオフェンスリバウンドを抑えない限り、試合では勝てないです」

八村塁

次はアメリカ戦「気持ちで負けないバスケをしたい」

八村個人で言えば、相手の徹底した対策に苦しみ15得点(フィールドゴール10本中3本成功)に終わったトルコ戦と違い、この日の八村は自らを囮とし味方に得点をアシストするなど、さすがの対応力を見せた。

それでも試合後、この日3ポイントシュート7本中6本成功で勝利の立役者となったチェコのブレイク・シュルブは、「八村に21点を取られたけど、良い仕事をしてコントールすることができた」と、この点を勝因の一つに挙げている。

実際、八村がファウルを受けた回数は10におよび、次に多かったのはチェコのヤロミール・ボハチークの5回と突出していた。ただ、それでも八村のフリースロー試投数は8本に留まっており、トルコ戦(10本)より少なかった。これはシュートを打たれる前にファウルで止めるチェコの対策が当たっていたという見方もでき、相手の試合運びの巧さにシュートタッチの良かった八村の大爆発を防がれてしまった側面があった。

痛恨の連敗を喫した中で迎える予選最終戦はアメリカ戦。相手ははるか格上であるが、地上波でのテレビ中継が予定されており、日本バスケットボールの存在をアピールできる絶好の舞台である。「アメリカはフィジカルでも技術でも上なので、気持ちで負けないバスケをしたい」と八村が語るように、どれだけ強気の姿勢で王者に向かっていけるのかが何よりも大事となる。

そして、八村にはプレー面に加え、精神面でもチームを牽引することが期待される試合となる。