カイリー・アービング

「もうコートに戻って相手をやっつける時だ」

マーベリックスの2026-27シーズンが始動した。シーズン最初の会見で、昨年3月に左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負ったカイリー・アービングが復帰への現在地を語った。

「制限はない」と明言したアービングは、1年半もの離脱期間を「34歳の僕にとっては素晴らしい休息期間だった」と振り返る一方、シーズン中には焦って復帰を急ぎ、挫折を味わう場面もあったことを明かした。

「トラウマになるようなケガからの復帰は簡単なことじゃないけど、言い訳はしない。幼い頃からこうした困難を乗り越えられるように育てられてきた」

この長い離脱を、アービングは「ケガ自体が僕に起きた最高の出来事だったかもしれない」とまで表現する。背景にあるのは、自分自身への反省だ。「僕はバスケに執着しすぎていた。自分のコンディションを正直に受け入れていなかったと思う。平均40分近くプレーしていたのは僕自身の意思で、コーチにいつも『出してくれ』と頼んでいた。勝ちたかったし、トップタレントの仲間入りをしたかった」

「最高のプレーを見せたいという欲はある。でもそれ以上に、より優れたリーダーになり、オフェンスやディフェンスだけでなく声や相手の目を見て真実を伝える能力、チームに信頼される存在になりたいと思うようになった。大ケガから1年以上が経過して、人間として成長できたし、それが他のすべてを引き上げてくれたと感じている。支配力は一人では成り立たず、チーム全体が必要だ。だからリーダーシップの質を高め、自分のスキルセットを磨き、選手として今後どこを目指すかを考えてきた」

ケガを機に立ち止まったことで、彼はキャリアのこれまでとこれからを熟慮する時間を得た。それとともに、彼には息子と生まれたばかりの娘とともに過ごす時間が与えられた。「子どもたちと一緒に家で過ごせたのは素晴らしかった。誤解してほしくないんだけど、僕はバスケを愛している。でも、子どもは僕の仕事については何も知らないし、知ろうとも思わない。ただ一緒にいて抱きしめてほしいだけなんだ。学校行事にも参加して、家族を取り巻く人間関係も深められた。本を読んだりして、人生を客観的に見つめ直すことができたけど、やっぱり一番誇りに思うのは家族との関係がより近くなったことだ。僕の復帰を待ち、回復を願ってくれたすべての人に、あらためて感謝を伝えたい。バスケが大好きだけど、離れる時間を持てて良かった」

ケガをしている間は『選手兼コーチ』という立場で若い選手たちと接し、サイドラインからバスケを学んだ。「その役割は楽しかったけど、もうコートに戻って相手をやっつける時だ」とカイリーは笑う。

「僕はここで生き残るだけでなく、圧倒できることを再び示したい。僕についての懐疑的な見方や疑問は避けられないのは分かっているけど、僕には王者の自信がある。NBAでは『最近何をしてくれたか』が問われるから、バッシュの紐を結び、チームメートとともにコートに立ち、自分が何を持っているのかを再び皆に見せられるのが楽しみだよ」