カワイ・レナード

「優勝を追い求めてチームを探しているわけじゃない」

カワイ・レナードとラプターズが2年1億1500万ドル(約170億円)の契約延長で合意した。新シーズンはクリッパーズ時代の2024年に結んだ3年1億5000万ドル(約230億円)の契約の最終年で、新契約は2027-28シーズンから発効し、2年目はプレーヤーオプションとなる。

カワイはラプターズのさらなる戦力補強のため、最大延長額から1000万ドル(約15億円)ほど低い金額を受け入れた。すでにクリッパーズからのトレードを成立させるために745万ドル(約11億円)のトレードキッカーを放棄しており、今回もチーム側へ配慮した形だ。

トレード成立から日も浅い中でのこの契約延長は、カワイのラプターズに対する特別な思い入れの表れでもある。本人は今回の決断について、ラプターズが用意した復帰の動画の中で「優勝を追い求めて最高のチームを探しているわけじゃない。この街は僕の家族を気に入ってくれたし、僕もこの街を気に入った。本当に楽しく過ごせたんだ」と語った。

カワイは2019年、1年だけの在籍ではあるがラプターズに球団史上初の優勝をもたらしている。今回の言葉には単なる契約条件を超えた、街そのものへの愛着がにじんでいる。

これまでの数カ月間、彼を巡る状況は決して穏やかなものではなかった。クリッパーズ時代のサラリーキャップ回避問題でNBAから史上最重量級の処分が下り、連邦検察の刑事捜査にまで発展。オーナーのスティーブ・バルマーが処分を受け入れるまでトレード自体が凍結される異例の事態となった。カワイは罰金こそ科せられたものの、キャリアを損なうような処分はなく『逃げ切った』との見方もある。

少なくとも、この騒動が落ち着くまでの長い期間、彼にとって落ち着かない状況だったのは間違いない。混乱の末にたどり着いた新天地で早々に長期契約を結び、腰を据える意思を示したことは、カワイ自身にとっても一つの区切りと言える。

かつて優勝をもたらしたトロントに舞い戻ったカワイ。ラプターズの厚遇に金銭面の譲歩で応えてきたが、これからはコート上のパフォーマンスで貢献することになる。