「自分が何をすればいいのか分からなくなるほどだ」
セルティックスに加入したマイク・コンリーの入団会見が行われた。今シーズンでNBA史上14人目となる20シーズン到達を果たす38歳が、ベテラン最低保証額で加入しただけでも異例だが、さらに注目すべきはその加入先が『狂気』のイメージがあるジョー・マズーラのセルティックスだという点だ。
オルカがアシカを狩る映像を練習前に選手に見せたり、大敗直後にロッカールームでワインを振る舞ったり、練習試合の勝者に『罰』ではなく『ご褒美』としてランニングをさせたりと、マズーラの型破りな手腕は数々の逸話に事欠かない。
そんな指揮官の下に来ることについて質問されたコンリーは「来る前は『狂っている』と思っていたが、そんなことはなかった」と言って集まった記者たちを笑わせた。
「彼の下でプレーした選手から話は聞いていたよ。彼のアイデアや戦術、選手とのコミュニケーション方法は新鮮で、バスケ観に新しい視点を与えてくれる。他のコーチのように決まった枠組みにとらわれず、新しいアプローチへの挑戦を恐れない」
「正直に言えば、ここに来て自分が何をすればいいのか分からなくなるほどだよ」とコンリーが言うと、会見に同席したマズーラは「それこそ最高の褒め言葉だ」と笑った。
「本当にそうなんだ」とコンリーも笑う。「バスケについて学ぶべきことがまだこんなにあるのかと感じさせられる。彼がバスケを見る目は、全く異なるレンズを通しているようだ。学ぶことが非常に多く、特別な経験だ」
NBAの最前線に20年も立ち続け、自分なりのスタイルもキャリアも確立したはずのベテランが、あえて勝手の違う環境に飛び込み、そこで新しいバスケを学ぶことに貪欲な姿勢を見せることはとても印象的だ。自信もプライドもあるはずだが、コンリーは自分のコンフォートゾーンを抜け出し、全く新しいバスケに身を投じることで、自分をアップデートしようとしている。
このベテランの姿勢が、セルティックスの若手に良い影響を与えないはずがない。コンリーはすでに選手同士のワークアウトを行っており、「若手は一生懸命に練習しているし、学習意欲も高い。彼らに絶え間なく課題や選択肢を与えてあげるべきだ」と言う。そして彼はペイトン・プリチャードに触れ、「ペイトンとは練習前後に1対1をやっていて、常にプレーについて話し合っている。僕は相手の特性に合わせた具体的なアドバイスを送り、耳を傾けて学ぼうとする彼の姿勢に応えたい」と語る。
20年選手がマズーラの型破りな手法を臆せず吸収しようとする姿は、若手にとって『新しいことに挑戦する』こと自体への抵抗感を取り除く、何よりのお手本になるはずだ。
