仙台残留の理由「僕と妻に対して、皆さんがたくさんの愛を示してくれるから」
8月29日、仙台89ERSは川崎ブレイブサンダースとアウェーでプレーシーズンゲームを実施。試合終了間際に追いつき、83-83で終えた。
新シーズンのBリーグでは、エントリーした外国籍選手全員がコートでプレーできるようになった。この新ルールをいかに有効に活用できるかが、各チームの成績に大きな影響を与えることは間違いない。
そして仙台はいきなりスタメンでジャレット・カルバー、ジェイク・レイマン、ネイサン・ブースを揃ってコートに立たせた。アジア枠のセルジオ・エル ダーヴィッチが『FIBAワールドカップ2027』アジア予選出場で不在のため、オン・ザ・コート4は実現しなかったが、昨シーズンの得点王でどこからでもシュートを決める198cmのカルバー、3ポイントシュート成功率がともに40%以上だった206cmのレイマン、208cmのブースが揃い踏みした布陣はサイズと長距離砲を高いレベルで兼備している。
5アウトのフォーメーションで彼ら3人がプレーすると、相手はアウトサイドに張り付かざるを得なくなり、そこで空いたスペースにタイミング良くゴール下へカットインすることで得点を重ねた。ブースは6アシストを記録したが、そのほとんどがカットインに合わせた見事なパスだった。また、相手がヘルプにくればキックアウトをしてオープンスリーを射抜くなど、ダン・タシュニーヘッドコーチも「オン・ザ・コート3での破壊力を見ることもできました」と、一定の手応えを得たようだ。
カルバーは外角シュートが不発に終わったものの、効果的なカットインからゴール下で得点を重ねて20得点9リバウンドを記録。チームにとって初の実戦を「良かった部分もあれば、改善すべき悪かった部分もありました。でも、シーズン開幕に向けて他のチームと対戦できたこと、そしてチームのみんなと一緒にコートに戻れて良かったです」と振り返る。
そして、今シーズンも仙台に戻ってきた理由を聞くと、「仙台は素晴らしい街で、素晴らしいコーチがいて、素晴らしい選手たちも多くチームに残ってくれました。だから、ここに戻って優勝を目指して戦いたいと思ったのが大きな理由です」とチーム愛を強調する。
仙台が居心地の良い理由をカルバーはこう語る。「僕と妻に対して、皆さんがたくさんの愛を示してくれるからです。本当に温かく、どんな時でもサポートしてくれます。勝っても負けても、いつも『JC』を応援してくれます。それにダンコーチを筆頭にスタッフは僕を信頼してくれる。だからこそ、僕自身も仙台にいたいし、ここでプレーするのが心地良いと思えます」

「まずはチャンピオンシップ進出、最終的には優勝争いに絡んでいきたい」
まだ発展途上だが、大きな可能性を示した外国籍トリオの同時起用については、「周りにたくさんのシューターがいてくれるのは助かります。僕が正しい判断をして相手のディフェンスを引きつけることができれば、チームメートたちは確実にシュートを決めてくれます」と好感触だ。
そしてチームの武器である外角シュートをより生かすためにも、「今シーズンはプレーメークの役割をもっと増やしていきたいと思います」と語った。このように、カルバーには良い意味で得点に対するこだわりはない。「個人のスタッツは重要ではないです。僕は試合に勝つためにプレーしています。得点王になったことで相手のマークはより厳しくなります。だからこそ、その中で自分がアグレッシブ攻めてチームメートにパスをさばいていけば、みんなが正しいプレーをしてくれることはわかっています」
タシュニーヘッドコーチが、「それぞれのチームがローテーションの仕方、日本人選手と外国籍選手をどの時間帯にどういうラインナップで起用しているのか今は模索しているところだと思います。もちろん、自分たちもその内の1つです」と語るように、仙台も新レギュレーションへのアジャストにトライしている。
だが、外国籍トリオに、抜群のクリエイト能力を誇るエル ダーヴィッチを加えた仙台のオン・ザ・コート4がBリーグ全体でも屈指の最大火力を備えていることは、今日のプレシーズンでも十分に感じ取ることはできた。
これからプレシーズンを重ねてチームを仕上げていく中、カルバーは「開幕戦までにベストコンディションにすることが目標です。シーズンが始まったら一試合ずつチーム力を積み上げて、まずはチャンピオンシップ進出、最終的には優勝争いに絡んでいきたいと思っています」と意気込んだ。
仙台がさらなる躍進を遂げるため、カルバーはチャンスメーカーとしてのプレーに磨きをかける。昨シーズンとはまた違うスタイルで、Bリーグを席巻することを目指していく。
