ジェームズ・ハーデン

3年契約を結ぶも新シーズンが実質『勝負の年』に

ジェームズ・ハーデンがキャバリアーズと3年9700万ドル(約150億円)で契約延長に合意した。

ハーデンは今年6月、契約最終年のプレーヤーオプションを破棄してフリーエージェントとなっていたが、キャブズ残留以外は考えていなかった。キャブズが補強をしやすくするために、自分の契約を後回しにするのが彼の考え方。彼はフロントに対し、レブロン・ジェームズ、ジョナサン・クミンガ、ペイトン・ワトソン、デマー・デローザンのうち誰か一人を獲得するまでは、自身の交渉はしなくていいと伝えていたという。

それはキャブズのチーム作りを助ける自己犠牲であると同時に、キャブズには何が何でも優勝を狙えるロスターを作ってもらうという意思表示だった。レブロンはセブンティシクサーズを選択し、クミンガとの交渉も停滞する状況にハーデンは焦りを感じながらも、キャブズを急かすことなく待ち続けた。

オフ終盤までもつれはしたが、キャブズはデニス・シュルーダーを放出してキャップスペースを作り出し、マックス・ストゥルースを放出するサイン&トレードでワトソンを獲得。こうしてハーデンとキャブズは交渉を行い、すぐさま合意に至った。

来週に37歳となるハーデンに3年9700万ドルは「高い」と感じるかもしれないが、彼が破棄した契約最終年の年俸は4230万ドル(64億円)で、それも含めて1年あたりの年俸を抑えて3年で帳尻を合わせるという落としどころだ。ピークは過ぎたかもしれないが、今もまだスコアラーとしてもプレーメーカーとしても卓越した技術を持ち、直近の3シーズン連続で70試合以上に出場してプレーオフにも進んでいる彼は、チームに勝利をもたらすことのできる選手だ。

もっとも、ハーデンとキャブズの『勝負の賞味期限』は3シーズンよりずっと短いと見るべきだろう。エバン・モーブリーの年俸は新シーズンには5000万ドル(約75億円)の大台に乗り、2027-28シーズンからは1年目の年俸が6000万ドル(約90億円)で始まるドノバン・ミッチェルの新たなマックス契約が有効となる。今でさえキャブズのサラリーキャップは、ハーデンとの共同作業によりようやく成り立っている。来夏以降も同じ戦力を維持するのは困難だし、その時はハーデンが真っ先に放出候補になるだろう。

キャリア終盤を迎えたハーデンを突き動かすのは、いまだ成し遂げていない『NBA優勝』だけ。キャブズのチーム作りをやりやすくするための自己犠牲を払った後は、コート上での仕事が待っている。良い戦力は整ったが、結局のところハーデンにとってのNBA優勝は、彼自身の優勝に見合ったパフォーマンスなくして実現しない。特に昨シーズンも露呈してしまった『プレーオフでの勝負弱さ』は必ず払拭する必要がある。