男子日本代表

攻守に質の高さを見せるドイツ、屈せず上回った日本

バスケットボール日本代表がドイツとの国際強化試合に臨んだ。

先発は篠山竜青、比江島慎、渡邊雄太、八村塁、ニック・ファジーカス。比江島がファーストプレーでニックとのピックプレーからアタック、フローターで最初の得点を奪う。八村がスティールからそのままボールプッシュ、守備が1人付いていたが迷わずアタックして決めきり、続いてファジーカスがファウルを誘うなどオフェンスは相変わらず好調。ドイツに外角シュートを決められ先行されるも、篠山からゴール下の八村にパスを合わせてファウルを誘い、2本のフリースローを決めて12-11と逆転した。

それでも、次はドイツの時間帯。素早いパスワークでボールを動かすとともに、外へと引っ張りだしたファジーカスとガードのデニス・シュルーダーのマッチアップを作り、シュルーダーがこの試合早くも3本目の3ポイントシュートをねじ込む。八村がフェイダウェイ・ジャンプシュートを決めるも、第1クォーターで16-21とビハインドを背負った。

八村は第1クォーターで12得点を挙げたが、勢いはいつまでも続くものではない。日本のピックプレーに対してドイツはすべてマークを受け渡すスイッチで対応。誰が出てもフットワークが良く、日本はズレを生み出せずに難しいシュートを打たされた。ドイツのフットワークの良さはオフェンスでも存分に生かされる。攻守を切り替えるスピードは日本以上で、人もボールも素早く動いてズレを作り出していく。相手の動きについて行くのに必死でリバウンドにまで意識が回らず、セカンドチャンスからの失点もかさんだ。

それでも相手の3ポイントシュートも良い形で打っているが決まらなくなり、また単発ではあるが渡邊の3ポイントシュート、ファジーカスからゴール下に走る比江島への合わせ、馬場雄大のダニエル・タイスを抜き去るドライブとしぶとく得点を重ね、最後は八村が得意のプルアップジャンパーを沈めて35-42と、苦しみながらも7点差で前半を終えた。

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ビハインドを背負うも集中力を切らさず、流れを呼び込む

後半開始早々からドイツの3ポイントシュートに当たりが出て突き放されるも、八村のゴール下がブロックされたこぼれ球を拾った渡邊がバスケット・カウントの3点プレーを決めて追いすがる。続いて比江島のアタックからオフェンスリバウンドを取った八村のダンク、続いて八村がパワープレーでバスケット・カウントをもぎ取る。渡邊がフィンガーロールのフックシュートを無理やりねじ込んで5点差まで追い上げ、連続10得点でドイツにタイムアウトを取らせた。

ここからドイツも持ち直してハイペースの点の取り合いに。58-61と1ポゼッション差、残り1分40秒のところで八村と渡邉が一呼吸置くためにベンチへ。ここを馬場、竹内譲次を中心にしのいでスコアを動かさず、58-61で最終クォーターへ。

第4クォーター、ドイツは勝利をモノにすべく一段ギアを上げて来るが、比江島がブザーと同時の3ポイントシュートを沈め、馬場が得意のランニングプレーでファウルをもぎ取り、日本も食らい付く。ゴール下をドリブルでくぐった篠山からボールをつないで八村の3ポイントシュートと、チームプレーでドイツディフェンスを完全に崩すシーンも見られた。比江島ステップが炸裂し、八村のスティールから馬場がワンマン速攻を決めて73-75と肉薄する。

残り4分半、ドイツはシュルーダーとハリスを続けて、日本はファジーカスを戻して勝負。渡邊のアタックが決まらなかったところを、セカンドチャンスで八村がミドルジャンパーで決め、馬場のランニングプレーがこぼれたところを八村が押し込む。ファジーカスがコーナースリーを確実に決めて1点差。そして馬場が速攻でファウルをもぎ取り、フリースロー2本を決めてついに逆転した。

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篠山がシュルーダーとの1対1を制し、決着の得点

残り1分45秒、82-81。相手のミドルシュートが落ちて日本のポゼッションに。攻撃をリードする篠山はここで自らのアタックを選択。シュルーダーを1対1で抜き去ってフローターを沈めた。タイムアウトを挟んでのディフェンスでは、同点の3ポイントシュートを狙うドイツのパスワークにチーム一丸で食らい付いて、シュートを落とさせる。

84-81、残り21秒から日本ボールでの再開。馬場のターンオーバーで相手に最後のポゼッションを与えてしまったものの、慌てたドイツにもターンオーバーが出て逃げ切り、最終スコア86-83。強豪相手に大金星を挙げた。