物怖じしないアタックと『目的を持ったプレー』の体現

日本バスケットボール界の未来を担う超高校級の才能が一堂に会した『BLACK SAMURAI SUMMIT 2026』。八村塁をはじめとするトッププレーヤーの思想やスキルに触れるこの特別な大舞台で、確かな存在感を放ったのが琉球ゴールデンキングス U18の宮里俊佑だ。高校バスケットボールの伝統校や強豪校の出身者が多数を占める中、宮里は数少ないBリーグU18選手としてこのサミットに参戦。

部活動とは異なるプロの育成環境で牙を研いてきた宮里が、大観衆の前で見せた堂々たるプレーと確かなマインドセットは、Bリーグユースの未来を大いに照らすものだった。

「たくさんの観客の方がいて、そういう最高の舞台でプレーできたことはうれしいです。勝つことができて楽しかった」。そう満面の笑みで振り返った宮里だが、コート上でのプレー内容は実に頼もしいものだった。ベンチからコートに送り出されると、物怖じすることなく即座にシュートを狙い、前半には2本連続で3Pシュートを沈めるなど、終始積極的なプレーを見せた。

6月上旬の『FIBA U18アジアカップ2026東アジア地区予選』にも出場した宮里だが、その時はパスファーストになってしまい、本来の力を発揮できなかった。 この反省があるからこそ、「消極的になって後悔した思いは絶対にしたくない」という強い意志を持って、今回のキャンプに臨んだ。ワークアウトを通して学び直した1on1の思考法に加え、八村が提示した『目的を持ってプレーする』という問いに自問自答しながらコートに立ったという。

「八村選手が記者会見の時にどういう目的でドリブル、パス、シュートをするのかについて話していました。ただやっているだけでは意味がないので、練習からどういう目的でプレーするのかを常に考えながら、自分なりに見つめながらやりました」

明確な意図を持ってプレーする。その姿勢が、大舞台での迷いのない積極的なシュートやアタックへと結びついていた。

宮里俊佑

藤田ヘッドコーチが再会して感じたすごみとポテンシャル

今回の『TEAM BLACK』で指揮を執った藤田弘輝ヘッドコーチ(大阪エヴェッサ)も、宮里のプレー内容とメンタル面を高く評価する。「全員にも言えることですけど、物怖じしない感じがあります。特に宮里は、ベンチから出てすぐに2本連続で3Pシュートを打ったのはすごいなと。自分の良さを出していこうというテーマを、しっかりやり切ったんじゃないかと思います」

実は、藤田ヘッドコーチと宮里には浅からぬ縁がある。藤田ヘッドコーチが主宰するクリニックでU15年代の時の宮里に会っており、今回のサミットは約3年ぶりの再会となった。「あの時の宮里も上手かったですけど、これだけ成長してこんな大舞台に来たというのは、シンプルにうれしいですね。ゲームメークが得意なガードと攻めていくガードに分かれる中で、一番は器用貧乏になってほしくない。アグレッシブに外からも中からも行けるガードになれそうなポテンシャルがあるので、そこを大事にやってほしいです」

高校年代のバスケットシーンにおいて、Bリーグユースの育成システムも着実にその成果を実らせつつある。しかし、今回の『BLACK SAMURAI SUMMIT 2026』でユース出身選手は宮里と磯田陸斗(横浜ビー・コルセアーズ U18)のみだった。そのため、宮里はユース出身という立場に対する強い自覚と背負うものの大きさを十分に理解している。

「ユース出身が2人しかいないので、その思いは背負っています。この試合や練習で経験したことを表現して、みんなに『もっとやっていかないといけないんだな』って思わせるお手本にならないといけない。ここで経験したから終わりにするのではなく、自チームやユースの試合、対戦相手にも見せつけないといけないと思っています」

藤田ヘッドコーチも、宮里のような存在が持つインパクトについて力強く語った。「塁が『NBAに行けるよ』と言ってくれるだけで身近に感じられるのと同じで、少し規模は小さくなるけど、宮里のような身近な選手がBリーグで活躍する姿を見せたらユースの子たちも、『俺らも行けるんだ』と思えます。そういう存在になってほしいですね」

サミットのテーマであった『虎になれ』という言葉に対し、宮里は「今後はコートに入ったら別人になるような表現をしていきたい。このマインドを忘れずに、日々積み重ねていくしかないです」と語り、インタビューの最後には「虎になれます!」と力強く宣言した。

プロの背中を追いかけ、Bリーグユースの道標として前進を続ける宮里。コート上で真の『虎』となった彼が、日本のバスケットボール界に新たな時代の風を吹き込んでいく未来は、もうすぐそこまで来ている。