シェーファー アヴィ幸樹

「Bリーグの経験があるので、ここで負けていられない」

男子日本代表は『第20回アジア競技大会』の出場メンバーでモンゴル代表と強化試合を行った。初戦を65-67で競り負け、第2戦も第3クォーター中盤に最大15点のビハインドを負ったが、堅いディフェンスからリズムを取り戻して逆襲。スタミナ切れのモンゴルを第4クォーターに27-3と圧倒し、75-57で勝利して1勝1敗で強化試合を終えた。

ビッグマンのシェーファー アヴィ幸樹は、ガード陣との合わせからゴール下で確率良くシュートを沈めて12得点を記録し、3つのオフェンスリバウンドを含む7リバウンドを挙げ逆転勝ちに大きく貢献。シェーファーは、このように試合を振り返る。

「昨日の試合は入りが甘かったり、試合を通してソフトな部分が目立ってしまったと感じていました。代表として気持ちの入ったプレーを見せないといけないのは自分自身にも言えたことで、今日はそこを出していくことを意識していました。前半はウチのペースではなかったですが、しっかりとハードにプレーすることを続けていたことで、最終的にはディフェンスからオフェンスの流れを作れたのが今日の良かった点だと思います」

アジア競技大会のメンバーは若手中心で、28歳のシェーファーはアレックス・カーク(34歳)に次ぐ年長選手。代表経験も豊富でリーダーシップも求められる中、何よりも意識しているのは背中で代表としてあるべき姿を見せることだ。

「比較的、代表経験も長いです。だから今の若い選手が、自分が若かった頃に感じていたことを思っているだろうなと感じることはあります。ただ、そこで『このようにしたらいい』と言うよりも、例えば練習の時の準備や態度、試合への取り組み方の行動で示す。そこから学んでほしいと思っています。その後で、タイミングを見ながら自分が伝えられることを話して、彼らの成長の助けになれたらと思います」

昨シーズンのシェーファーはシーホース三河で53試合に出場し、平均13分30秒のプレータイムを獲得。年々、外国籍選手のレベルが増している中、Bリーグでローテーション入りをしている数少ない日本人ビッグマンだ。この実績に対するプライドがあるからこそ、モンゴルのことをリスペクトした上で、強い気持ちでコートに立っていた。

「BリーグでNBA経験がたくさんある選手たちとのマッチアップを日頃から経験しているので、ここで負けていられない気持ちはもちろんあります。モンゴルには素晴らしい選手たちが多かったですが、まだ若いところもあるなと感じていて、その粗い部分をうまく狙おうと思っていました」

シェーファー アヴィ幸樹

「プレータイムは考えずに自分が与えられた仕事をやり切る」

今回のアジア競技大会メンバーにおいて、インサイドではカークの存在が頭一つ抜けていて、実際にカークがコートにいる時といない時で攻守における安定感に違いが出たことは否めない。だが、タフな日程の大会において、カークが出ずっぱりの状況が続けば、最後はスタミナ切れを起こしてしまう。日本の上位進出にはシェーファー、川島悠翔、狩野富成ら他のビッグマンがいかにカークの負担を減らせるかが大きなカギとなる。

シェーファーもインサイドを担う責任の大きさを理解している。それ故に自身のやるべきプレーについて試行錯誤を重ねたが、最終的にはシンプル・イズ・ベストを貫くことに行き着いたという。「自分の中でいろいろと試しながらプレーしていましたが、ちょっと考えすぎていたところがありました。自分の与えられた役割をやり切る。ハードにプレーしてリバウンドを取る。ピックした後にしっかりダイブする。シンプルなことを徹底して続けることが大事です。そこをしっかりやり切ることができれば、アレックスの負担も減らせると思います」

これまでの代表では安定したプレータイムを得られなかったが、今回の連戦はともに約20分の出場と十分な出番を得た。「やっぱり20分以上出て、チームの勝敗に影響するポジションにいることは楽しいです。気持ちも高まっていきます」と語るシェーファーだが、同時に「時間はそんなに気にしていないです」と続ける。

「3分だったら、その3分を全うする。10分だったら10分を全うすると、それぞれの戦いがあります。プレータイムは考えずに、自分が与えられた仕事をやり切ることだけを考えてやっています」

昨日、シェーファーは今月末に行われる『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window4の直前合宿に追加招集を受けた。Window4では繋ぎ役としての役割が求められるが、シェーファーのマインドセットはそれとマッチする。川真田紘也が故障で不在の中、モンゴルとの第2戦で見せたシンプルな仕事をやり続けることができれば、Window4でのロスター入りの可能性は十分にある。