「今回、コーリーさんにしては非常に長く合宿を組んでいる印象」
7月29日、女子日本代表強化部会長と日本代表強化副委員長を兼任する萩原美樹⼦がメディアブリーフィングを実施。『女子U17ワールドカップ』の総括に加え、『女子ワールドカップ』、『アジア競技大会』を9月に控えた女子日本代表の現状について語った。
萩原強化副委員長は、本日エーシズでWNBAデビューを果たした日本代表のメインガード山本麻衣のワールドカップ出場について、「言える範囲では現在、合流の方向でチームと調整をしている状況です」と語る。
「コーリー(ゲインズヘッドコーチ)さんは、(エーシズの)ヘッドコーチを務めるベッキー・ハモンさんに教わるのは本当に素晴らしいことなので、いろいろなことを学んで日本に持ち帰ってほしい。できる限りのサポートをしたいとおっしゃっていました。我々とすれば当然、ワールドカップに出てほしいです」
シーズン中のWNBAはワールドカップのために8月31日から9月16日まで中断期間を設けている。エーシズでの序列を高めるためには中断中もチームに残ってトレーニングを積むのが無難だが、チーム間の調整がうまくいって日本代表に合流し、ワールドカップで活躍することで、山本の評価が高まるのが理想の流れだ。
ゲインズ体制になってからの日本は昨夏のアジアカップ、そしてワールドカップ最終予選でも尻上がりに調子を上げて結果を残した。しかし、それはスロースターターであることの裏返しでもあり、いかに連携を確立した状態で9月の本大会初戦を迎えられるかが鍵を握る。この点について萩原副委員長は、しっかりと対策を練ったチーム作りを行なっている最中だと語る。
「今回、コーリーさんにしては非常に長く合宿を組んでいる印象です。その中で(7月上旬には)オーストラリアに遠征し、中国とオーストラリアと試合をし、良い内容だったとコーリーさんはおっしゃっています」
「長く合宿をすることで、最初からフルスロットルで行けるように意識していると思います。また、大会に向けて早めに現地に行って、事前にいくつか試合を行うことも聞いています。試合を重ねていくことで連携を高め、現地でしっかりと調整しながら大会を迎えることを考えていると思います」
そして、日本の目指すアップテンポで強度の高いプレーを貫くには、ロスター全員の貢献が必要と考えている。「タイムシェアをして、12人全員がゲームに絡むことで一人ひとりの疲労を軽減し、強度を保つことを徹底するしかないです。そういう意味でいうと、ガードの田中こころ選手、都野七海選手などがキーになってくる。どんなラインナップになっても常に同じ強度でディフェンス、オフェンスを展開できることが大事だと思います」

女子U17ワールドカップで活躍の竹内みや「日本の宝だと思っています」
荻原副委員長は7位で終えた『女子U17ワールドカップ』について次のように総括した。「日本の選手たちは頑張りました。ただ、やはり長身選手のところで発掘、育成を含めてやはり課題が残りました。世界では180cm、190cmの選手がアウトサイドのプレーができますが、日本の長身選手は外回りのプレーがなかなかできていない。女子の強化としては、先々に繋がる結果でありつつも、危機感を同時に持ちました」
一方で大きな収穫と言えるのが、大会ベスト5にも選出された竹内みや、そして大槻佳子といったガード陣の活躍だ。萩原副委員長は、この代表の未来を担う逸材たちについて次のような育成方針を明かす。
「中長期の計画の中で下の世代をしっかりとA代表に繋がるように強化、育成していくことを考えています。我々とすれば彼女たちは、日本の宝だと思っています。竹内選手や大槻選手など、すぐにでも飛び級させて育てる発想もあります。仮にA代表はまだ早いという状況なら、その下の世代でしっかりと拾い上げて育成していく点について、強化部会、伊藤(拓摩)強化委員長と話を進めています」
ここ数年、ヨーロッパだけでなくアジアでも、U17世代より上の世代の有望株がアメリカのNCAAに進学するケースが増えている。だが日本ではウインターカップで活躍するような高校年代トップの選手がNCAAに行くことは極めて稀だ。
当然、進路についてJBAが軽々に口を出せるものではないが、萩原副委員長は「個人、所属先の意志などもあって、一概に申し上げることはできないです。ただJBAとしては、WNBAは難しいとしてもNCAAやアメリカに行きたい選手を応援する道筋を作ることを考えてもいいのかな、という会話は伊藤強化委員長ともしております」と語る。
女子バスケットボール界は目の前の大会に全力を尽くしつつ、様々な施策を行なって中長期的な強化を進めている。
