『プレーオフでの勝ち方』を知るロールプレーヤー
グリズリーズとのバイアウト交渉をまとめたケンテイビアス・コールドウェル・ポープが、セブンティシクサーズと1年390万ドル(約6億円)で契約すると『ESPN』が報じた。彼の狙いはただ一つ、レブロン・ジェームズと再びプレーすることだ。
コールドウェル・ポープとレブロンは2020年にレイカーズが優勝した時のチームメート。彼はナゲッツに移籍した2022-23シーズンにもNBA優勝を勝ち取っている。2度の優勝を知るベテランが、今度は現役最後の旅に出たレブロンを追いかけてシクサーズに合流する。
コールドウェル・ポープはあくまで『脇役』だが、粘り強いディフェンスで相手の攻撃の起点を潰し、味方が作り出すチャンスを高確率で決めるという攻守両面の働きを、高い安定感で続けられるのが持ち味だ。そして、プレーオフのような勝敗の重みが増す場面で、その持ち味はより発揮される。
レイカーズでは3年4000万ドル(約60億円)、ナゲッツでは2年3000万ドル(約45億円)と、ロールプレーヤーとしては破格の契約を得たものの、サラリーキャップの縛りが年々厳しくなる状況で、その契約の重さが災いした。2024年に彼のサラリーを抱えきれなくなったナゲッツを離れ、ここ2シーズンはマジックとグリズリーズで本領発揮に至らなかった。
グリズリーズは残り1年となっていた彼の契約を破棄した。昨年オフの時点では勝つことを目指していたが、この1年でジャレン・ジャクソンJr.とジャ・モラントのエース格を相次いで放出。若手中心の再建へと舵を切ったチームの方向性に、コールドウェル・ポープは合わなくなっていた。
昨シーズンは右手小指の手術で2月中旬以降はプレーせず、キャリア最少の51試合出場に留まった。レブロンやニコラ・ヨキッチなど超一流のパサーに合わせて動くコールドウェル・ポープは、個人のアイソレーション中心のグリズリーズのオフェンスにもフィットしなかった。
直近の数字だけを見れば、33歳になって衰えが出始めたと見るべきだろうが、シクサーズが求めているのはスタッツではない。ペリメーターディフェンスと勝負どころでの3ポイントシュート、そして何より『プレーオフでの勝ち方』を知る経験だ。レブロンと同じクラッチ・スポーツがエージェントを務めるコールドウェル・ポープがシクサーズに合流するのは当然の流れと言っていいのかもしれない。
