中村太地

「いろんな人と会って、いろんな場所で刺激を受けたい」

JBA3x3スペシャライズドチーム『Team TOKYO 2026』は2度目の国際大会となる「FIBA 3×3 Batam Challenger」に明日参戦する。

『Team TOKYO 2026』はケネディ トーマス、中村太地、江原信太朗、小川麻斗、長谷川比源、ホルツジェイク幸輝の6選手が、Bリーグのオフシーズンを利用して3×3に取り組み、FIBAが主催する『マスターズ』、『チャレンジャー』と呼ばれるプロサーキット大会に参戦し、ロサンゼルスオリンピックへの出場を目指す特設チームだ。

今回が初参加となる中村はこのように大会に向けて意気込んだ。「新たに僕とジェイクが加わって、サイズは少し上がったと思いますし、みんなオールラウンダーとしてプレーできる強みがあります。3×3ならではのスクリーンの掛け方やタイミング、ズレの作り方など、毎回の練習で新しい気づきがありますし、みんなで話し合いながら進められているので、すごく順調です」

3×3は5人制とは異なる戦術やテンポが求められるが、5人制を生業としている中村は両者を別物とは考えていない。「5人制につながる部分はめちゃくちゃあると思っています。このオフシーズンだからこそ得られる刺激だったり、新しい創造性を養うチャンスです。3×3のセットプレーが5人制に生きることもありますし、逆に5人制でやっているセットが3×3に転換されることもあるので、その面白さはすごくあります」

その言葉は中祖嘉人ヘッドコーチが目指すチーム作りとも重なる。中祖ヘッドコーチは「戦術は前回より深まっている」と話し、メンバー変更によってサイズアップしたことでディフェンスの組み立ても変化させたという。

「前回とは違うスタイルのバスケットができます。シンプルな戦術にして、できるだけ最短距離でゲームの形に持っていきたいです。ピック&ロールは5人制でもやっているプレーですし、1対1や2対2のクオリティを高められれば十分戦えると思っています」

6月に行われた『FIBA 3x3 Lion City Challenger』では、小川は持ち味を発揮して特に得点面で貢献したが、ディフェンス面では狙われる場面も少なくなかった。前回との一番の違いはガードのサイズアップであり、190cmの中村には中祖ヘッドコーチも「「身長があって、ある程度シュートも打てる。ピック&ロールを使いながら、そのシュート力を発揮してほしい」と期待を寄せた。

タフなスケジュールを送るBリーガーにとって、オフシーズンは貴重な時間だが、あくなき探求心を持つ中村は迷いなく代表活動を選んだ。「僕はバスケが好きなんです。いろんな人と会って、いろんな場所で刺激を受けたい。これまでもそうやって挑戦してきましたし、5人制代表ももちろん目指しています。でも、声を掛けてもらえる場所、自分を必要としてくれる場所でプレーできることは本当に幸せです。真剣に対人ができる場所って、今の日本ではワークアウトくらいしかありません。こういう場でコンディションを上げながら対人を経験できるのは、すごく良い環境だと思います」

当然ながら、明日の大会は3人制を主戦場にしているチームが相手となり、世界の強豪は年間を通して同じメンバーで数多くの大会を戦っている。一方、『Team TOKYO 2026』の活動期間は限られるため、連携面では相手に一日の長がある。だが中村はそれを『伸びしろ』ととらえ、ネガティブに考えていない。

「相手は年間を通して何百試合も一緒にプレーしています。その差はあります。でも僕たちは個の集団でもあるので、個の力とチーム力の両方が必要です。2月のキャンプから前回大会、そして今回と積み重ねることで、やることは少しずつ整理されてきています。やればやるほど良くなるのは間違いないと思います」

中祖ヘッドコーチも「前回はビデオを見てもピンと来なかった部分が、今は『ここだ』と共通認識を持てるようになってきた」と、経験の積み重ねによる進歩を実感している。

2028年のロス五輪を見据えれば、このプロジェクトはまだ始まったばかり。Bリーガーが3×3という新たな競技に挑み、その経験を再び5人制へ持ち帰る。その循環こそが、日本バスケットボール全体の底上げに繋がる。中村はその可能性を誰よりも楽しみながら世界と戦う。