
過去の家庭内暴力と『コネ人事』疑惑でトレードに批判
サンズが現地7月22日に行ったマイルズ・ブリッジズの入団会見は、単なる補強報告では終わらなかった。ブライアン・グレゴリーGMは冒頭から、ブリッジズの過去の家庭内暴力に関する問題に正面から向き合った。
ブリッジズ獲得が決まると、地元メディアは大きな批判を寄せ、SNSも炎上した。それはブリッジズの素行だけが理由ではない。マット・イシュビアがオーナーに就任して以来、ファンもメディアも『素人の現場介入』に辟易しており、彼がミシガン州立大でプレーしていた時期にアシスタントコーチを務めていたブライアン・グレゴリーをGMに据えると「コネ人事だ」との批判が沸き起こった。かつて将来有望だったサンズをイシュビアが滅茶苦茶にした、と考えるファンは多い。そして今回、ミシガン州立大のOBであるブリッジズの獲得は「またイシュビアのコネ人事」と批判されている。
長年チームに貢献したグレイソン・アレンとロイス・オニール放出への反感に加え、『デビン・ブッカー以後』のチームに次のエースを連れてくるであろう2033年の1巡目指名権を手放したことも批判の的となっている。地元メディアはこのトレードもイシュビアによる専横と見て、『不可解な愚行』と手厳しく批判している。だからこそ、会見ではブリッジズよりもグレゴリーGMへの質問が多く、「なぜイシュビアがこの場に出てきて説明しないんだ?」というケンカ腰の質問もあった。
ブリッジズはキャリアを通してホーネッツでプレーし、NBAキャリア8年目を終えたところだが、5年目の2022-23シーズンは全休している。2022年6月、2人の幼い子供たちの前で当時の妻だった女性に暴行を加えて逮捕されたからだ。「僕がここに来ることに対して複雑な感情があることは理解しているけど、僕は自分の行動に責任を負う」とブリッジズは言う。
「カウンセリングやセラピーに通い、一人の人間として良くなろうと日々努力してきた。コート内外で、特にコート外で良い父親になり、ここの人たちからの信頼を勝ち取りたい。ホーネッツでも最初はファンとの間に緊張感があった。それでもファンと向き合ううちに、みんな僕がどんな人間かを見て、認めてくれた。ここでも同じことを成し遂げたい」
Introducing Miles Bridges ☄
— Phoenix Suns (@Suns) July 22, 2026
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ホーネッツでの彼は、ファンに受け入れられていた。生え抜きの主力で、ラメロ・ボールとのコンビは『ホーネッツの顔』となっており、地域奉仕活動に積極的に参加して『生まれ変わろうとする姿』も支持を得ていた。だが、サンズにトレードされた以上はゼロから信頼を勝ち取らなければいけない。
「まだみんな僕のことをよく知らないと思う。地元に積極的にかかわり、僕という人間を知ってもらうことに全力を尽くすつもりだ。シャーロットでも常に外に出てファンと交流し、僕が周りをどれだけ大切に思っているかを示してきた。僕は自分が良い人間だと思っている。ニュースからは逆の印象を持つだろうけど、本当の僕を見てもらいたい」
昨シーズンのサンズはケビン・デュラントをトレードし、ブラッドリー・ビールも契約をバイアウトして放出して再建へと舵を切った。グレゴリーGMはチームを立て直し、こちらもミシガン州立大出身のジョーダン・オットは、NBAでのヘッドコーチ初挑戦ながら見事な采配を見せた。
そのサンズをブリッジズはこう見ている。「KD(デュラント)の放出で正直厳しいと思っていたけど、闘争心と努力で不利を跳ね返した。プレーオフではファーストラウンドでサンダーと当たったのがツイてなかったし、不運な判定もあったよね。このチームの強みは攻守両面での積極的な姿勢、そしてリバウンドであり、僕のプレースタイルは完璧にフィットすると思う。ホーネッツ時代の僕を見て、得点しか狙っていない選手だと思うかもしれないけど、僕はパスも出せるし、チームメートの良さを引き出したい。チームを動かしてブック(ブッカー)の得点をアシストするのが楽しみだ」
サマーリーグが行われたラスベガスでは、サンズの選手全員が集まり、ブリッジズはそこで新たなチームメートへの挨拶を済ませたという。ブッカーを中心とするチームの結束力は、グレゴリーGMが作り上げたもの。ブリッジズはここに加わり、ファンの信頼を勝ち取って、コート上での勝利も勝ち取るつもりだ。
「僕はまだプレーオフを経験していないけど、それはこれから変わると思っている。昨シーズンに一つひとつのポゼッションがどれだけ重要かを学んだ。ここでも勝ち方を学び、劣勢の試合を泥臭く戦うことで勝ちに持っていく方法を身に着けたい。そして、コート内外での行動を通して、僕の獲得が正しかったと証明したい。シーズンが終わる頃には、みんなに僕のことを誇りに思ってもらいたい」