「プレーのオプションをどんどん増やしていきたい」
7月21日、川崎ブレイブサンダースは桶谷大ヘッドコーチの就任会見を実施したが、その前には一部選手の囲み取材も行われた。その内の1人である米須玲音は、男子日本代表も率いている新指揮官の印象についてこのように語った。
「今日、初めてお会いしてすごくオーラを感じました。5シーズン連続でファイナルに行かれていて、素晴らしい方というのは分かっています。一緒のチームでできるのはすごく嬉しいですし、自分が成長できるチャンスと思っています」
就任会見でも語っていたが、桶谷ヘッドコーチの目指すスタイルはチームの持っている力をいかに引き出して戦うかで、高い生産性を重視する。だからこそ前任の琉球ではインサイドゲーム重視の戦いで多くの勝利をつかんできたが、川崎はまた違うスタイルになる。それは米須も理解しており、「琉球と日本代表はまったく別のチーム。どういうスタイルにも対応できるというか、そのチームの特徴を生かしてやられている印象があります。自分の強みを出して、良いチームを作れたらと思います」と語る。
昨シーズン、ルーキーイヤーの米須は開幕前に肩を痛めてシーズン前半戦を欠場。平均6.7得点、4.3アシスト、3ポイントシュート成功率37.3%と数字自体は1年目として上々だったが、わずか23試合出場にとどまり、チームも下位に低迷と消化不良に終わった。
特別指定でプレーしていた2024-25シーズンから米須にとって課題の一つとなっていたのが、卓越したアシスト能力を生かすためにも、効果的に得点をとって自身がディフェンスの脅威となることだった。スタッツが示すように得点面で確かな進歩を見せた米須が、さらなるステップアップへ重視しているのが次の部分だ。
「昨シーズン、3ポイントのところは良かったと思っていますが、1つ大きな課題だったのがオフェンスのペイントアタックです。外だけでなく、中に切れ込んでフィッシュしたり、そこからアシストを出したりと、プレーのオプションをどんどん増やしていきたいです。ディフェンスでは、1対1で守るところを課題としてやっていきたいです」
新レギュレーションを見越して3キロ増量
Bプレミアとなる新シーズンは、オン・ザ・コートフリーとなりベンチ登録の外国籍3名、アジア/帰化枠1名を同時起用できる。米須にとっても、自分よりサイズのある外国籍ガードとスイッチなどでマッチアップする機会が増えることが予想される。そういった変化への対応も踏まえ、今オフはフィジカル強化にも積極的に取りくんでいる。「だいぶ筋トレもやって、体重も3キロアップしていますが、重くなった感覚はないです。今は人生で最高値ですが、しっかりと筋肉に変えていきたいです」
また、新ルールとなることで外国籍ガードやウイングが増えると、彼らがボールプッシュを担当する場面がより増えることも予想される。だが、米須はチームルールに従うのが大前提の中でも、司令塔として自身がボールプッシュのところから組み立てに関わっていきたい考えだ。
「昨シーズンやその前もプッシュできる外国籍選手はいましたが、そこでターンオーバーをされると相手に速攻をくらってしまいます。まずは『自分にボールを預けてほしい』という強い意思を示したいです。ドリブルよりもパスのほうが速いと思うので、そこは場面にもよりますが、自分が繋ぎ役をしっかりできるように、外国籍選手だろうと関係なくコミュニケーションを取ってガツガツ言っていきたいです」
新外国籍は未知数な部分があるが、現状のロースターを見る限り、今シーズンの川崎は絶対的なスコアラーに頼るというより、しっかりとボールをシェアするオフェンスを展開すると予想される。だからこそ、高校時代から世代屈指のパスセンスを見せている米須が、いかにチームメートの持ち味を引き出せるか。ドリブルより速いパスを米須が次々と通すことで、テンポのよいオフェンスを遂行していけるかがチームの命運を握る大事な要素となる。

