「私たちは『パスは心』と言います」
日本バスケットボール協会(JBA)は7月18日、19日に都内でコーチクリニックを開催した。
18日は2020年から昨シーズンまでブルズのアシスタントコーチを務めたダミアン・コッターが講師を務め、19日は元NBAプレーヤーであり、デラウェア・ブルーコーツのヘッドコーチとしてGリーグ優勝、2024年にセブンティシクサーズでアシスタントコーチを務めたコービー・カールがクリニックを行った。
クリニックは主に『最新・最高峰の技術と戦術の共有』と『ライセンス保持者のリフレッシュ研修』の2つの目的のため実施されている。JBAの公認コーチ資格(D級以上)を継続更新するには、期間内に規定の「リフレッシュポイント」を取得する必要があり、今回の参加者には1日につき2ポイントが付与された。
18日はコッター氏が「ディフェンスの構築(個人のファンダメンタルからチームディフェンスへ)」、「育成年代におけるトランジションの状況判断力向上」について指導。東海大男子バスケットボール部がモデルプレーヤーとなり、コッター氏が直接実演をした。選手たちは同時通訳のラグに戸惑いながらも、集中して指示内容を実践。参加者の中にはBリーグのコーチも見られ、コッター氏の一挙手一投足に集中しながらメモを取った。
コッター氏が指導をする上で特に強調していたのは「競争」と「カオス」を取り入れることだった。対戦形式の際に負けたらその場で腕立て伏せを課すことで競争心を養い、アクションが難しくなるような要素をあえて加えることで練習の難易度を上げていた。コッター氏は「ドリルの中に意思決定や問題解決の要素を組み込むことで、選手がより素早く状況を学べるようにすることの重要性について、数多くの文献を読みました」と言い、どのカテゴリーの指導者にも満足できるように今回のプランを立てたと続けた。
クリニックの最後には質疑応答の時間が設けられ、熱心な参加者からの質問に真摯に対応した。男子U19オーストラリア代表のヘッドコーチや女子オーストラリア代表のアシスタントコーチを務めるなど、特にオーストラリア事情に精通しているコッター氏に対し、オーストラリアのパッシング能力が高い理由を聞かれた際にはこのように答えた。
「私にとってドリブルは、より良いシュートやパスを生み出すためのツールに過ぎません。
オーストラリアには継続性のある攻撃を教える歴史があり、ボールを動かし続けなければいけません。そして、私たちのカルチャーにおいて良いチームメートであることが求められます。それを最も簡単に表現できるのがパスであり、私たちは『パスは心』と言います」
そして、コッター氏は会場のすべての指導者に向け、このようにエールを送った。「皆さんはそれぞれ、育成の道の上にいます。あなた方の果たしている役割が日本バスケットボール界の前進にどれだけ貢献しているかをしっかり心の中に留めておいてほしいです。皆さんこそが日本バスケットボール界が成功するために重要な存在なのです。協会を支え、そして指導者同士でお互いを支え合っていってください」
