スティールやディフレクションでの貢献に期待

レイカーズは、フリーエージェントのマティース・サイブルと1年330万ドル(約5億円)の契約を結んだ。サイブルはセブンティシクサーズとトレイルブレイザーズでNBAキャリア7シーズンを築いたウイングで、超アグレッシブなディフェンスでレイカーズの貴重な戦力になりそうだ。

瞬発力のあるフットワーク、身長196cmに対してウイングスパン213cmという長い腕、そして鋭い読みを駆使して、ギャンブル的なスティールを次々と成功させる。一瞬で間合いを詰めるシュートチェックや、抜かれても背後からボールに触れてターンオーバーを誘う、攻め手の一手先を読んで長い腕を伸ばすディフレクションなど『魅せる守備』で、シクサーズ時代には2年連続でNBAオールディフェンシブセカンドチームに選出された。

直近の2シーズンは足首、膝、親指のケガが重なって45試合にしか出場できなかったが、それでも3ポイントシュート成功率は43.8%、39.8%と飛躍的な向上を見せ、『守備専門』の選手から脱却しつつある。

昨シーズンは30試合の出場に留まるも、2月下旬に復帰してからはコンスタントにプレーし、『魅せる守備』に加えて、デニ・アブディヤの1対1から生まれるキャッチ&シュートのチャンスを効率良く決めることでオフェンスでも存在感を発揮。プレーオフでもローテーションに組み込まれており、出場試合数は少なくてもサイブルの評価はむしろ上がっていた。

サイブル自身は、昨シーズンに大きな飛躍を果たしたブレイザーズのチームの一体感を気に入っており、「完全フリーエージェントになるのは初めてだから、物事がどう進むか分からないけど、お互いを思いやる気持ちや、人間性の高さがあるこのチームに残りたい」と語っている。

それでもブレイザーズは新体制になり、今オフは明確に『ローリスク・ハイリターン』を志向したチーム編成を行っている。ケガのリスクがありながら、残留させるには年俸アップが必要なサイブルをブレイザーズは必要とせず、非保証契約しか提示しなかったという。そのサイブルに目を付けたのがレイカーズだった。

レブロン・ジェームズが退団し、ルカ・ドンチッチとオースティン・リーブスのチームとして正式なスタートを切るレイカーズは、この両エースのディフェンスの弱さを『どう隠すか』が成否を分けるポイントになる。特に相手のエースガードのマッチアップを2人に任せれば、ディフェンスで体力を消耗するし、ファウルトラブルのリスクもある。サイブルがこの役割を引き受けることで、チームの攻守は上手く回ると期待される。

また、サイブルがその予知能力で生み出すスティールやディフレクションは速攻のチャンスを増やす。ドンチッチの創造性もリーブスの縦への突破力も、トランジションでこそ最も効力を発揮する。さらにこの2年で向上したキャッチ&シュートまで披露できれば、攻守に欠かせない主力としてチームに定着できるはずだ。