ライアン・リッチマン

「オフェンスに集中する役割は楽しいです」

男子日本代表は、7月3日と6日に開催された『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3でアウェーにて中国、韓国と対戦。中国に19点差で快勝、韓国には2点差での惜敗の1勝1敗で終え、4勝2敗のグループ1位で2次ラウンドに進出している。

Window2の直前に発足した桶谷大ヘッドコーチ体制の日本は、前回に比べて準備期間もあったことでチームケミストリーが増し、確かな進歩を見せた。特筆すべきは攻守の素早い切り替えによるトランジションからのゴール下での得点が大きく増えたこと。高い生産性の高いオフェンスを指向する桶谷体制において、レイアップやダンクなど、イージーシュートが増えることは重要視しているポイントだ。

オフェンスの戦術を担当するライアン・リッチマンアシスタントコーチ(アルバルク東京ヘッドコーチ)は、昨シーズンまで3年間に渡りシーホース三河の指揮官を務め、リーグ屈指のオフェンスレーティングを誇るチームを作り上げた。

三河の前にはNBAのウィザーズでアシスタントビデオコーディネーターやアシスタントコーチを歴任したリッチマンアシスタントコーチは、代表でもその卓越した手腕を発揮。ジョシュ・ホーキンソンという大きなアドバンテージを生かしつつ、コート上の5人がしっかりとボールに絡む質の高いチームオフェンスを構築している。

リッチマンアシスタントコーチは、「スタッフ陣がチームのことを理解し、チームもスタッフ陣のやりたいことを理解する。その上でカッティングやスペースの使い方で連携が取れていること。誰を使って、どのように攻めるのか共通認識を持つことが重要です」と、自分たちのやりたいオフェンスを遂行するための肝を語る。

その中で、次のように手応えを語る。「今回が、(桶谷体制にとって)2回目のWindowになりますが、オフェンス面で大きな進歩があったと思います。選手たちはよりシステムを理解し、連携してプレーできています」

一般的にBリーグとNBAでは大きな違いがあり、さらにBリーグとFIBAのバスケも違うと言われている。その点について聞くと、リッチマンアシスタントコーチも「その通りだと思います。BリーグとNBAは別物です。BリーグとFIBAは、BリーグとNBAに比べたら似ていますが、それでも大きく違います」と見ている。

このようにアジャストの難しさはあるが、リッチマンアシスタントコーチは充実した代表活動を過ごしていると強調する。「特別な選手たちと一緒に仕事ができるのは、大変なことではないし、本当に楽しい。みんなとても賢くて、どのようにプレーするべきかわかっている。そして全員が、とてもアンセルフィッシュな選手です」

代表選手たちのチームファーストの姿勢を称えるリッチマンアシスタントコーチは、「オフェンスに集中する役割は楽しいです」と、やりやすさを語る。「NBAでビデオルームにいて分析をやっていた時、よりオフェンス面にフォーカスしていました。それがヘッドコーチになってからはディフェンスや、全体をまとめることについてたくさん考えることになりました。今はオフェンスに専念することができて、素晴らしい学びの機会になっています」

今の日本は、練習を重ねるごとにオフェンスの精度が高まり、バリエーションも着実に増している。リッチマンアシスタントコーチの指導の下、8月下旬に行われるWindow4ではどのようにオフェンスを進化させるのか、今からすでに披露される日が待ち遠しい。