比江島の『柔』のペイントアタックとともに目指す勝利

男子日本代表は『FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選』Window3に向けた強化合宿を実施。7名の追加メンバーを加えた22名によるロスター枠争いは激しさを増している。その中で西田優大は今回の主力メンバーの最有力候補の一人と言える存在だ。これまでのWindowの個人スタッツは平均25.9分のプレータイムで12.5得点、4.5リバウンド。新たな日本のエースと呼ばれても遜色のない活躍をしてきた。

西田の最大の武器は、ペイントアタックからの得点で、本人も「身体をぶつけて相手をオフバランスにさせるステップ」が武器だと話す。そしてWindow2で敗れた中国に対して、14得点を挙げられた要因がそれであると続ける。「中国はサイズの大きさを生かしたディフェンスをしてくるので、ショーディフェンス(スクリーンをかけたビッグマンのディフェンスがハンドラーの進路を阻止するように出てくるディフェンス)のような足を使った守り方はしてきませんでした。比較的ペイントまでは簡単にアタックしやすかったので、自分の強みが上手く出せたと思っています」

中国のディフェンスシステムは、ペイントアタックを武器とする西田にとって相性が良く苦手意識はないと語る。だが、その中国戦で現れた課題にもついても言及した。「中国戦では3ポイントが8分の1(12.5%)だったので、その部分の修正は今回の合宿で取り組んでいます」。ここまでの予選4試合における西田の3ポイントシュートの成功率は平均26.3%。所属するシーホース三河でも2025-26シーズンは28.9%と低迷し、もともと得意なはずの外角へシュートへの不安は拭いきれない。

Window3初戦の中国戦は西田が話すように、機動力を生かしたペイントアタックが勝利を導くカギになるはずだ。そしてもう一人、ペイントアタックの名手がチームに加わった。東京オリンピック、沖縄ワールドカップ、パリオリンピックでエースとして活躍した比江島慎だ。比江島は2024年に行われたアジアカップ予選を最後に代表活動から遠ざかっていたが、桶谷大ヘッドコーチ体制になってからラージリスト入りし、今回の合宿で代表活動を再開させた。

『比江島ステップ』と世間から言われる独特のリズムでのペイントアタックを、西田は「ステップだけで相手をいなしているイメージ」と表現する。『柔』の比江島と『剛』の西田。対照的な2人のペイントアタックは、中国とのリベンジマッチで大きな力を発揮するはずだ。

そして現在27歳の西田は、若手の成長著しい日本代表での自身の立ち位置を明確にしてWindow3に向かおうとしている。「下からどんどん良い選手が入ってきているので、僕たちの世代が引っ張っていかなきゃいけないというのは重々承知の上です。マコさん(比江島)も新しい体制になってから代表でプレーするのは初めてですし、彼とはまた違う引っ張り方をしていきたいと思っています」

比江島が代表不在の中で、エースとしての自覚が生まれた西田は、これまで日本代表を牽引してきたベテランの復帰によって一歩下がるのではなく、ともに牽引する決意を露わにした。西田が日本の新しいエースから真のエースに進化する日はすぐ目の前まで来ている。