瀬川琉久

「代表は自分にとっても特別」

男子日本代表のディベロップメントキャンプに参加した瀬川琉久。世代別代表での経験が豊富な彼だが、以前の代表活動では「何をすればいいか、自分の役割が分からないところはあった」と振り返る。だが、今は自身の進めべき道が明確になってきた。

世代No.1プレーヤーとして鳴り物入りで千葉ジェッツに加入した瀬川は1年目から自身の能力を発揮。しかし、今シーズンはプレータイムの減少に比例して主要スタッツを軒並み落とすなど、『2年目のジンクス』を打ち破れなかった。瀬川も「ローテーションやカバレッジという頭を使う部分で、本当に苦労した部分もあった」と語る。それでも「ディフェンスからアグレッシブにやることによって、オフェンスのリズムも良くなっていきました。終盤戦辺りから、自分のリズムのつかみ方を理解し始めました」と言う。

得点からリズムを作るタイプもいれば、守備からスイッチが入る選手もいる。得点力が一番の持ち味である瀬川だけに、後者のタイプだったことは意外だが、前線から激しいプレッシャーディフェンスを仕掛ける代表とマッチする。瀬川も「前からプレッシャーをかける部分に関しては得意としているので、それを100%出せればいいと思います。ピック&ロールからゲームメークをしつつ、課題である3ポイントを強化していきたい」と展望を語った。

前指揮官、トム・ホーバス時代には『一番若いお前がそんなことしていたら駄目だろ』と指摘を受けることもあり、「少し怒られるのを怖がるみたいな部分もあった」と振り返る。だが、その経験があったからこそ、『Get Better(成長)』と『Embrace the Competition(競争を楽しむ)』がテーマの今回の合宿に生きていると瀬川は言う。

「前の合宿の時にドリル練習でパスが緩かったり、ステップを踏んでいなかったりした時に怒られましたが、今はドリルの中でも本当にゲームライクにするようにやっているので、そこは良い収穫だったかなと思います。今は練習と練習の合間に休憩がないというか、終わったらすぐにこっちに急ぐという感じで、スピード感がすごくある練習です。その中で的確にちゃんと伝えてくれますし、スマートにプレーしていきたいです」

日本代表への思いは以前から強い。U18代表活動後に観戦した有明での中国戦では、会場が赤く染まり一体となって代表を後押しする光景に圧倒されたという。「アリーナにいるみんなが本当に一丸となって、赤く染まって応援している姿を見て、みんなの前で応援されたいと思いました。代表は自分にとっても特別で、自分もそこに立ちたいと思っていました」

今回のキャンプはアジア競技大会のメンバー選考を兼ねており、ワールドカップ予選へのコールアップの可能性もある。だが、瀬川は目の前の争いだけに今は集中している。

「もちろんA代表に入ることが目標ではありますが、段階も踏んでいかないといけないので、まずはアジア競技大会に選ばれることを目指してやっています。最終的には次のオリンピックに出場することが目標でもあるので、そこまでに一個一個、目の前の課題と向き合ってやっていきたいと思っています」

自分の武器が何で、どう戦えばチームに価値を出せるのか。瀬川はその輪郭が見え始めている。あこがれだった代表は、今は現実的な目標になった。