
「もう終わったこと。悔しさは次の試合にぶつけたい」
NBAファイナルの第2戦も、ニックスが敵地でスパーズに勝利した。初戦以上に混戦となり、互いにランを繰り出す展開となったこの試合は、前半はスパーズがほとんどの時間帯でリードし、第2クォーター終盤から第3クォーターにかけてニックスが逆転。第4クォーター残り6分でニックスが14点リードしていたものの、カール・アンソニー・タウンズのファウルトラブルを機にスパーズが12-0のランで追い付いた。
こうして緊張感マックスの終盤を迎え、残り1分でターンオーバーから走ったディラン・ハーパーから遅れてリムに飛び込むビクター・ウェンバニャマにパスを通してのバスケット・カウントでスパーズが土壇場で逆転に成功する。
しかし、試合はまだまだ終わらない。ジェイレン・ブランソンがミドルレンジのタフショットを沈めて同点に。残り22秒からのニックスの攻めは、ブランソンのミドルジャンパーが外れて失敗に終わったのだが、ここでスパーズにとんでもないミスが起きる。リバウンドを拾ったウェンバニャマは前を走るステフォン・キャッスルにボールを預けようとパスを出したが、これを見ていなかったキャッスルの背中にボールが当たってしまう。これに一早く反応したブランソンがボールを確保し、取り返しにいったウェンバニャマからファウルを引き出し、このフリースローでニックスが勝ち越しに成功した。
スパーズにはまだ7.5秒が残されていた。ディアロン・フォックスがディフェンスを引き付けてウェンバニャマに最後のチャンスを託す。ウェンバニャマは決まれば逆転のジャンプシュートを放つが、これがリムに嫌われて万事休す。ニックスが105-104で激闘を制した。
KNICKS GET THE HUGE DEFENSIVE STOP TO WIN GAME 2 🚨
THEY’VE WON 13 STRAIGHT AND LEAD THE NBA FINALS, 2-0 🚨 pic.twitter.com/5V67qIcT7F
— NBA (@NBA) June 6, 2026
ウェンバニャマは40分の出場で29得点9リバウンド2アシスト2スティール4ブロックを記録。残り1分にバスケット・カウントをもぎ取った時にはヒーローになるはずだったが、その後は信じられないミスがあり、再逆転のチャンスもモノにできなかった。
常に平常心を保つウェンバニャマも、試合直後の会見ではショックから抜け出せずにいた。「何が起きたかはっきり分かっていなくて曖昧だ。それが一番の問題だと思う。一つひとつのプレーを振り返ることはしないけど、もっと冷静に試合をコントロールしなきゃいけなかった」
キャッスルの背中に投げてしまったパスについて「あそこまで必死にプレーしてきて、チャンスを投げ捨ててしまったようなもので、悔しいの一言しかない。あの時に何を考えていたかと振り返ると、切羽詰まった状況で余裕がなく、考えるより先に身体が動いてしまった」と振り返る。
最後のシュートも、相手はファウルができない状況で、慌ててジャンプシュートを打つよりドライブでリムを攻めたほうがニックスは嫌だったはずだ。結果論ではあるが、だからこそ彼は決めなければいけなかったと悔やむ。「シュートセレクション自体には納得している。でも、あそこは決めなきゃいけない。過程よりも結果が重要な場面であり、決めるべきだった」
サンダーとのカンファレンスファイナル第5戦、サンダーに完敗した試合後にウェンバニャマはNBAで義務付けられている会見をキャンセルした。心理的なダメージはあの時より今回のほうが大きいだろうが、彼は一番に会見場に姿を見せ、包み隠さず自分の気持ちを言葉にした。
「いろんな感情が渦巻いているけど、ネガティブなものばかりだ。チームが勝つチャンスを僕が台無しにしてしまった。勝つべき試合だったし、それは僕たち次第という展開だった。でも、もう終わったことだ。後悔があるかと言われればもちろんあるけど、悔しさは次の試合にぶつけたい。僕自身もチームも、この悔しさを絶対にエネルギーにしてみせる」
これでニックスが2勝0敗。第3戦は中2日を置いて、ニックスのマディソン・スクエア・ガーデンに舞台を移して行われる。