
「その人の良さをどのように見つけて生かしてあげるか」
5月29日に行われた『Bリーグアワードショー』で、横浜ビー・コルセアーズがフェアプレー賞を受賞した。この賞はレギュラーシーズンにおけるノーマルファウル以外のファウルの合計ポイントと、規約・規程違反が最も少ないクラブに与えられるもので、横浜BCは初受賞となった。
ノーマルファウル以外の合計ポイントが少ないということはつまり、テクニカルファウルやアンスポーツマンライクファウルの数が少ないということだ。感情の起伏によって取られることの多いこれらのファウルは、試合の流れを一転させる可能性のあるもの。チームを代表して授賞式に登壇したキャプテンの森井健太は「チームでコントロールできたことが受賞できた要因の一つです」と語った。森井はさらにキャプテンとして率先してコミュニケーションを取って、チームをまとめ上げることに重点を置いていたと続ける。「接戦になった状況でテクニカルファウルなどで相手にフリースローを与え、1点、2点を献上すると状況を苦しくさせてしまうので、ガードとして、そしてキャプテンとして大事にしていました」
森井は「昨シーズンはよく(テクニカルファウルを)取られていたので」と笑いながら、オフシーズンの代表活動で負傷したマイク・コッツァーの代役として急遽9月から加入したケーレブ・ターズースキーを例に挙げて語った。「常にチームとして彼の性格を理解して接していました。彼はウチに来て一度もテクニカルを取られていないと思いますし、この成長は一人の選手として本当に素晴らしいことです。コーチ陣を含めてこの取り組みは良い結果になりました。いろいろな選手がいるので、悪いところばかりを見るのではなく、その人の良さをどのように見つけて生かしてあげるか、ということは人と接する上ですごく大切なことだと思っています」
世間でも『アンガーマネジメント』の重要性は広く説かれている。特にバスケットボールは意図的にファウルすることも認められており、試合展開の速さゆえに目まぐるしく変わる状況の中でアドレナリンも増幅していく。さらに会場のボルテージが上がれば、冷静さを保ってプレーすることが難しくなるのは当然だ。だからこそ森井や選手たち、コーチ陣は彼をプレーに集中させる手助けをした。
今シーズン、ターズースキーが犯したファウルの回数はチームの総ファウル数のうちの9.4%。昨シーズンの16.4%から大幅に減少しており、ファウルマネジメントやアンガーマネジメントができていることに起因していると言っても良いだろう。
森井自身もこの受賞には手応えを感じており、この受賞の経験、そしてフェアプレーから生まれるチームの魅力作りを、今後のキャリアに繋げていくつもりだと語った。「僕も完璧な人間ではなく、みんなに助けられてキャリアを続けられています。 僕自身は、みんなから感謝されることを生み出せるタイプの選手ではないと思っていて、みんなの良さを最大限引き出すことが魅力であり、チームからもそれを求められています。リーグの中でもある程度その評価を得ているので、もっと極めていきたいと思っています」