「スタートダッシュ以降、苦しんだ記憶が多いシーズンだった」
5月30日、千葉ジェッツはファン感謝イベントとなるブースターフェスを開催。イベント終了後、富樫勇樹が囲み取材に応じた。
今シーズンの千葉Jは開幕10連勝とスタートダッシュに成功したが、シーズン中盤にゴール下の要であるジョン・ムーニーが戦線離脱するなど、相次ぐ故障者に見舞われたことで苦戦。シーズン終盤に勢いを取り戻して東地区2位に浮上したが、チャンピオンシップセミファイナルで優勝した長崎ヴェルカに連敗し、シーズンを終えた。
富樫はこのようにシーズンを振り返る。「チーム的にもスタートダッシュを切れて以降、苦しんだ記憶が多いシーズンだったかなと思います。個人としても全試合に出場しましたが、Bリーグが始まってからの10年間の中でも一番不完全燃焼な感じはあります。自分の中ではやり切りましたし、むしろ頑張って60試合出たと思いますが、それでも今までで達成感が最もないシーズンだったと思います」
だからこそ観戦に訪れたファイナルは「自分の中で、セミファイナルの結果が実力だったと思います」と気持ちを切り替えて見ていた。「シーズンを通して良いチームを作れた自信がある中で、負けたシーズンに比べると『そりゃそうだよな』と。レギュラーシーズンで培ってきたものがCSで出るので、やっぱり長崎は強かった感じでした」
富樫にとって消化不良の思いが強いのは、シーズンを通してコンディションに苦しんだからだ。「正直、自分の中で100%でプレーできた試合は、記憶の中で2、3試合でした。今までのシーズンは20点、30点を取る試合がどこかであったと思いますが、今シーズンに関してはそういう試合を作ることがほとんどなかった。相手をしっかり振り切ってオープンになることが、今までのシーズンに比べてケガのところで難しかったです」

「自分の中では、代表に呼ばれるような活躍をできなかった」
だからこそ「この夏はしっかりとケガを治すところからだと思います」と語る。そうなると注目が集まるのは、直近のワールドカップアジア予選Windowでキャプテンを務めるなど、欠かせない存在になっている代表への参加だ。
「まだ決まっていないので、はっきりしたことは言えないです」と前置きした上で、現段階での率直な気持ちを明かしてくれた。「自分の中では、代表に呼ばれるような活躍をできなかったと思っています。リーダーシップだったりも含めて呼んでもらえる可能性はあるかもしれないですし、そうなったら光栄なことです。でも、自分のベストなパフォーマンスを発揮できないのであれば『呼ばれても……』という気持ちもあります。桶さん(桶谷大ヘッドコーチ)としっかり話し合いたいです」
先日、Bリーグアワードが行われたが、Bリーグ初年度から8年連続でレギュラーシーズンベスト5に選出され、昨シーズンもセカンドチームに選出されていた富樫は初めてアワードを欠席。苦しんだシーズンを象徴する結果となった。
Bリーグの歴史においては、1つの大きな出来事であるが、富樫は「自分の中では、もっと前に途切れてもおかしくないシーズンがあったと思っています」と冷静に受け止めている。同時に周囲だけでなく、自分でも再びトップ5に相応しいパフォーマンスを見せたいと意欲を見せる。
「もっと前に、自分で自分に投票しなくなった時があるので、自分の中ではもっと前に終わっていた感覚です。そういう意味で今シーズン、アワードに出られずに記録が途切れたことへの悔しさはないです。でも選手として表彰されるような活躍をすることを、一つのモチベーションとして今度も持ち続けたいです」
代表活動への参加の有無など、富樫がどんな夏を過ごすのかはまだ何も決まっていない。ただ、今シーズンに苦しんだケガをしっかり治し、新シーズンは100%のコンディションで開幕を迎えてほしい。これは千葉Jファンだけでなく、バスケットボールファン全体の願いだ。
