「オフシーズンに一切休みをとりません」

5月29日に行われた『Bリーグアワード』で、宇都宮ブレックスのD.J・ニュービルが3年連続3回目となるレギュラーシーズンMVPを受賞した。

今シーズンの宇都宮は頂点に立った『東アジアスーパーリーグ(EASL)』と同時並行でレギュラーシーズンを戦い抜き、並いる強豪との首位争いを制して東地区優勝を飾った。過密日程ながら前年度王者のプライドを見せたニュービルは、平均31分03秒のプレータイムで19.0得点、5.0リバウンド、6.4アシストを記録。スタッツもさることながら劣勢でも動じない精神的な強さとクラッチタイムでの勝負強さは、投票権を持つ多くのヘッドコーチ、選手、メディアにインパクトを与えたに違いない。

MVPの受賞発表はベストファイブの選手が壇上に並んだ状態で発表され、名前を呼ばれた時にニュービルは驚きを隠せない表情をした。「考えてもみてください、今シーズンのこのリーグには、素晴らしいパフォーマンスを見せた選手が本当にたくさんいました。ですから、自分が3回目の受賞となること自体に、ただただ衝撃を受けていました。本当にレアなことですし、めったに起きないことですからね。それでも、自分はこの賞にふさわしいだけの努力をやってきたと思っています」

驚きはしたものの受賞にふさわしい準備は怠っていなかったという自負もあると言う。「私はオフシーズンに一切休みをとりません。前シーズンで『まだここが十分にできていなかった』と思う部分に、徹底的に取り組みます。また、自分の身体がしっかりと維持され、高いレベルを保てるように多くのことをこなします。強さを維持し、精神的にも肉体的にも準備を整えるのです。本当に、ただただ日々ハードワークを継続して積み重ねていく、それに尽きます」

ニュービルのレギュラーシーズンへの戦いはオフシーズンからすでに始まっていた。その姿勢は家族との時間を削っていることにも繋がる。「家族のことを考えると感情的になりますし、彼らの存在や犠牲がなければ、この受賞を成し遂げることは不可能でした」

家族の支えが彼を強くし、強靭なメンタリティでベストプレーヤーになれるよう鍛錬を積む。シーズン中も維持するだけでなくパフォーマンスを上げていく。だからこそ宇都宮のファンは彼に魅了され、『神様』と崇める。そしてブレックスネーションが巻き起こす熱量がニュービルをさらなる高みへ引き上げた。その見えない力を与えてくれた宇都宮のファンへの感謝の気持ちは3年間の愛として語られた。

「ファンの方々は『宇都宮ブレックス』とともに生き、呼吸をしています。私たちが良いプレーをしている時も、悪い時も、勝っている時も、どんな時でも彼らは常に一歩一歩をともに歩み、私たちの感情を分かち合ってくれます。彼らは単なる一般的なファンというよりも、チームの一員であり、まるで家族のような存在です。ですから、この3シーズンにわたって彼らと本当にたくさんの思い出を共有できたことに、心から感謝しています」

ニュービルの宇都宮での旅は終わりを迎えた。来シーズンはアルティーリ千葉でプレーすることがすでに発表されており、新たなチャレンジが始まる。休むことを知らない彼はすでに今シーズンに足りなかったことを考え、来シーズンに向けて備え始めていることだろう。だが今だけは、この受賞の喜びを家族と分かち合う時間として費やしてほしいと願うばかりだ。