ユドニス・ハズレム

「ヒートの魂を受け継ぐ選手がいないといけない」

8月6日、ヒートはユドニス・ハズレムとの再契約を発表。39歳のハズレムは、現役引退も噂されたが、ヒートとベテラン最低保障額での単年契約を結んだ。

ヒート公式Twitterアカウントは、ハズレムとの再契約発表後にインタビュー動画を投稿。ハズレムは笑顔で「マイアミ・ヒートでなかったら、自分にとっての意味がない」と答えた。

ここ3シーズンで合計40試合にしか出場していないとはいえ、ハズレムはチームに欠かせないロッカールームのリーダーだ。

1球団での在籍が17年になるのは、現役NBA選手の中では最長となる。2002年のドラフトでは指名されなかったものの、2003年に入団したハズレムはチームから求められる役割を受け入れ、2006年、2012年、2013年の優勝に貢献した。16年をかけてNBAキャリアを積み重ねた結果、通算リバウンド数(5738)は球団史上1位の記録にもなった。

昨シーズン終了後、ハズレムは去就について家族と相談して決めると語った。そして、自分よりも先に引退したドウェイン・ウェイドの名前を挙げ、生え抜きとしての使命をこう語っている。「ドウェインや僕には責任がある。かつてブライアン・グラント、エディ・ジョーンズ、アロンゾ・モーニングが担ったように、自分たちが球団を離れる時、ヒートのカルチャー、ヒートの魂を受け継ぐ選手がいないといけない」

「これまでは、そういう役割を担ってきた選手がいた。そういう意思を受け継ぐ選手が誰になるのか100%明確ではないうちに球団を離れてしまったら、それが心残りになる。いろいろ聞かれるけれど、去就について明確な答えが言えないのは、自分だけの話ではないからだ」

そのハズレムが新たな契約を結んだということは、その言葉どおり『ヒートの魂』を受け継ぐ選手を育てるためだろう。2019-20シーズンも出場機会は限られるだろうが、ハズレムは若手に自分の経験を伝えようとしている。その意思を受け継ぐ選手が現れた時、ハズレムの役割も終わりを迎える。