Bリーグ元年を「意識改革の年」と位置付けた篠山竜青。その1年を振り返りながら、篠山のパーソナルな部分に迫る。
理想とは違う自分なりのキャプテン像を追い求めて
──プレーだけでなく、キャプテンシーも印象的なシーズンでした。チームでは2014年からキャプテンですが、学生時代もずっとキャプテンをやってきたのですか? また理想のキャプテン像はありますか?
小学校、中学校、大学はキャプテンでした。年齢の上下に関係なく強気にいろいろなことが言えて、グイグイ引っ張っていけるキャプテンが理想です。でも、僕はちょっとそういうのが得意ではないので、どちらかと言うとみんなの力を借りながら、チーム全体でみんなにリーダーシップをとってもらうような意識でやっていました。
──2014年だと加入4年目、任命された時点ではまだ若手という立場でした。
本当を言うと、最初は嫌でした(笑)。でもキャプテンを任せられることによって責任感が出ますし、キャプテンをしているからこそ『やらなければ』という気持ちになることができるので、今考えればありがたいです。今後もやらせてもらえるうちは、キャプテンとしてチームを引っ張っていきたいと今は思っています。
──コート上でのリーダーシップはキャプテンの経験によって培われたものですか?
いえ、司令塔だからというのが一番の理由だと思います。子供の時から『喋れないとポイントガードはできない』と言われてきました。だから、試合になると何でも言えるようになります。リーダーシップは僕の仕事だと思いますし、今シーズンは出せていたかと思います。
「あまりにもお利口さん気味にならないように」
──篠山選手は笑いのセンスが高めですが、それでも会見や取材の場面では模範解答のような真面目な返しが多いですね。そこはキャプテンとして『そうあるべき』と思っての行動ですか?
そうしなきゃダメかなって思います。それに優等生を気取っているのが一番楽なので(笑)。
──コート外でのエンタテインメント性も求められるので、そのバランスが大事ですね。
それは必要だと思います。アワードでも川淵さんが「面白いコメントをしろよ」という話をされていましたし。どのあたりまで突っ込めるのか、どこまで言ったら怒られるのか、今はそこを探っている状態です。
──ちなみにその探りの中でデッドラインを超えたことはありますか?
一度ハロウィンの時に仮装のことをコスプレって言ったんです、そうしたら「それはちょっと」と注意されました。ウチは厳しいんですよ、フロントの側に「あまりはみ出さないで」っていう意識がまだあるかなと。なので、そこに関しては探り探りです。でもあまりにもお利口さん気味にならないように、僕はチョロチョロいきます(笑)。
──様子見ということだったのですね!
まずは誰も傷つけない、毒のない笑いやコメントが一番老若男女に受け入れられると思いますので、そういったところから入っていきます。そのうちすごく毒を吐いたりするやつとか、ウチで言うと辻(直人)とか、そういう人たちを見て後からコソコソ入っていければなと(笑)。
──来シーズンはそういった部分での活躍も期待しています。
スポーツ選手らしい発言で、笑いと好感度を上げていけるかが勝負ですね。毒は吐かないと思います(笑)。
フロンターレをお手本に、地域密着を目指して
──笑いと好感度を上げるという話が出ましたが、それはバスケットボール人気や集客に直結するかと思います。2年目のBリーグで川崎に必要になってくることは何でしょうか?
今年は13位でしたし、やはり集客ですね。来シーズンは東地区になるということもあり、集客の部分でどれだけ頑張れるかが重要になります。
──具体的に集客を増やすにはどうすれば良いですか?
それは選手も一緒にやることなので、そういう意味ではSNSもチラシ配りもやらなきゃいけないです。今来ているファンの人たちが「友達を呼んで行きたいな」とか「バスケを知らないあの子を誘って見に行ったら絶対バスケにハマってくれる」という自信を、とどろきアリーナに植え付けさせることが重要です。そういう意味では試合内容もそうですし、お見送りもですし、演出からいろんな面を盛り上げて、新規のお客さんをどんどん連れてくるということが大事かと思います。
──一気にファンが増える魔法の方法はないので、地道にコツコツとやるしかないですよね。
アイドルや芸能人を呼べば増えるかもしれないですけど、ウチは川崎のチームということをコンセプトにして、地道にやっていきます。川崎にはフロンターレさんというお手本がいます。フロンターレが20年かかったことをブレイブサンダースも20年かけてというのは効率が悪すぎるので、フロンターレから学んで10年、5年に縮めていくということが大事ですね。
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